編プロ

うちは編プロ、編集プロダクションです。が、創業当初は、そのつもりで立ち上げた訳じゃないと、そう自社を紹介することを忌避していました。「そのつもりで立ち上げた訳じゃない」のそのつもりとは、下請としてという意味ですが、版元やめて編プロ作った?ああそうなの的な受け止められ方がいやだったんですね。なんと器の小さな話。

そうやって業界的にはいい響きがない編プロですけど、出版不況ということを話題にするパワーすら失われつつある今日この頃、実はいまこそ編プロ(フリーの編集プロデューサーも含めて)が編集のプロフェッショナルとして力を発揮すべき時がきたと思っていて、あえていまこそ編プロやってます!と声高に宣言していこうと思っています。

当社のような小さな会社にも毎日のようにデザイン会社、イラストレーター、ライター等々営業DMがやってくるぐらいですから、何か仕事ありませんかといった下請根性丸出しでは生き残ることは不可能でしょう。これからもどんどん淘汰されると思います。

そもそも編プロだの版元だの、単なる販売ネットの違いであって、商売として儲かってるのかどうか(つまり理念に基づく付加価値を提供できているかどうか)、という点で考えたら上も下もない話で、大抵は勝手に下請けだと思い込んでいるだけのことだと思っています。

売れる本作りをトータルにサポートすると看板を掲げていますが、下請けじゃなくパートナーとしての存在価値を発揮すべく努力することこそ、本当に版元が望んでいることでしょうし、ひいては書店、読者のためにもなると思っています。

そのようにパートナーとしての編集者として考えてみれば、お客様は版元だけでなく、一般事業会社、非営利法人、そして個人も、とにかく編集サービスを必要とする全ての人々がお客様の範疇にはいってくるんですよね。となればいまこそ販売ネットに何の制限のない編プロの時代だというわけです。

ということでまさに攻めて高みを目指すとき。間違いなく前途洋々ですよ。

ノートの取り方

いま出版求人NEWSの新コンテンツの1つとして、売れる編集者へのインタビュー企画を進めているのですが、4月新人の高橋、中島の2名にさっそく取材を任せて、すでに2件終了しました。で、現時点での反省点についてメールで報告があって、なかなか立派な心がけです。

• ほとんどノートを取ることができなかった。
相手のはなしを聞きつつ、ノートを撮ることが難しくあまりノートを取ることができなかった。そのため、テープ起こしも時間がかかってしまう。今後はインタビューの回数を重ねるごとに、上手くノートを取れる方法を探り、テープ起こしの時間の短縮ができるようにしたい。

取材ライターの経験はないので、あくまでも我流ですけど、インタビューに限らず、人からレクチャーを受けたり、ややこしい交渉事などの各種打合せに効力を発揮するノートの取り方があります。

それは、自分がしゃべったことを書く、です。

これは、最初に誰かに教えてもらったことではなく、ひたすら自力で打合せをこなしているうちに身についた技なんですが、数年前に何かの本を読んだときに同じことが書いてあって、あ、間違っていなかったんだと、以後は自信をもっておすすめしてます。

自分がしゃべったことを書く、つまり相手が話したことを「ということですか」と口頭で再確認したことを書くわけです。こうすれば、相手の話はきちんと目を見て聞けますし、自分がしゃべった後なので、ノートに書くタイミングを自分でコントロールできます。さらに、自分の言葉で書いているので、その場ですでに編集していて一石二鳥。

聞きながら書き取るのはほとんど不可能というか、基本的に失礼だと思うし、それだと学校の授業で黒板を書き写すのと同じくらい無駄な作業だと思っています。やってみるとわかりますが、話しながら書くのって結構簡単で、そのときに書いたキーワードは、打合せ時の熱がこもった言葉だったり、大事な約束事だったり、後から読み返して役立つことがたくさんあります。

この手法は本当にいろいろな効能があるのですが、例えば話をしていてまったくノートを取らずにすむ人もいて、打合せが盛り上がる人に多いのですが、実は中身がない人だったんだと後で分かったりもします。

ヘタレ採用のドヘタ経営だった

ちょっと前に吉村がブックデザイン担当した本です。新卒採用戦略についてのノウハウ本なので、会社を大きくしたいと考えている経営者以外は読む必要はないと思います。もちろん私は読みました。

ヘタレ採用 ドヘタ経営―採用の常識は営業の非常識
ヘタレ採用 ドヘタ経営―採用の常識は営業の非常識

ヘタレ採用を続けていれば、いずれ会社が潰れます。という帯コピーがついているのですが、痛感してます。まさにこれまでの自分は、このヘタレ採用を続けてきたなと。せっかく入ってもらった社員の中には、苦労ばかりかけた人もいて、その人の良さを活かしきれずにいたという強烈な反省点に基づいて、次の採用、つまり会社をどう発展させていくために、どういう人に入社してもらうのかということについては、きちんと語っていかなければと思っています。

ここ数ヶ月厳しい改革を断行した結果、所帯をかなり小さくした編集部門ですが、これを契機に当面、紙の編集者は採用を辞めることにしました。そして、すでに会社を創業してから、PC書の編プロからブックデザイン会社という位置づけに切り替えてきているのですが、さらにここにきてもう一つ大きく舵を切ることにしました。

いや、舵を切るという表現は不適切ですね。ブックデザイン、つまり売れる本作りのトータルサポート事業は今後も拡大させていく考えです。ただ、こちらの経営のかなりの部分を萩原にやってもらい、私は、これからはウェブメディアの編集者をどんどん集めていこうと考えています。

先週、河野さんとこのあたりのことを話をしていて、戦略も全部組み替えて進むべき道はかなりクリアになってきました。が、こういうことに正解はないので、完全な答えを出す前に走りはじめて、間違ったと思ったらすぐに舵を切りなおして進んでいくつもりです。

あらかじめはっきり宣言しておきたいことは、これは零細企業の第2創業といったような半端なスローガンで終わらせるつもりのものではなく、もう一つ別の会社をゼロから作る作業にするということです。

よく、起業した人が、もう一度創業時の苦労を再現しろといわれたら無理だという話がありますが、それはその通りで、何の信用もなく何の経験もない、まさに徒手空拳。苦労しないほうがおかしな話です。しかし、個人的には、同業他社に転職を果たして、やれやれと思ったのもつかの間、お手並み拝見といった、周囲の期待値が高い分、成果を出さないと大変なことになると気づいたときの切迫感に比べれば(いまでもヒヤヒヤします)、創業は自由自在にやれた分、かなり楽だったように思っていますし、これまでの経験を活かせば、かなりのことができると思っています。

6年前デジカルを創業した翌月、丁度次男が生まれたのですが、今度は次女が生まれたばかり、これまたいい契機に違いないと思っています。前回は、子供が生まれるというのに、あんないい会社辞めて編プロなんか作るのかと結構周囲に心配(いやバカに)されたのですが、さすがに今回はもう呆れられているというか、ま、それなりに信用がついて、信頼されているということにしておきたいですね(笑)

一度会社を作ってここまでやってきた経験があるので、次はかなり素早く、確度高くベンチャー事業の成功を目指したいと思っています。自分にできることといえば、やっぱり経営者の仕事。資金調達と経営管理、それに多くのプロデューサーをまとめる合理的かつ情理的な仕組み作りといったところでしょうか。特に、マネージメントについては、徹底的に実践勉強して顧問も周りにガッチリ固めているので、ベンチャーといえども手堅く絶対に会社を潰さない経営をするつもりです。

事業自体は素早く軌道には乗せたいと考えていますが、その先、将来をどう考えているのかというと、あと20年は立派に戦える、いや楽しめる会社にしたいと思っています。もちろん短期的な成功も目指しますけど、仕事は大いなる暇つぶし。どうせやるなら楽しく、儲かるようにやりたいものだし、今は若い社員もこれから結婚して、子供が生まれてなど生活の変化があったときにも、うまく対応できるようにしたいと考えています。

少なくとも10年たてば出版業界は、まるで風景が変わっていると思っています。そのときに、なるだけ高みから見晴らせるような、そういうポジションを目指して今から目前の高い山目指して登ろうと思います。

ということで、今度集める人材(ウェブメディアの編集プロデューサー)は、最低でも10年は一緒に仕事をしてくれる人ということになるでしょうか。

職場環境を整えること

実はメディア会社の経営に必要なことは、優秀な人材がさらに力を発揮する環境を整える。これに尽きるんじゃないかと考えています。

大書店の近くで、地下鉄の駅から徒歩30秒という立地も、社員数に不釣り合いなほどの大フロアと贅沢な机も、そして最新のマシンや簡易印刷ができるぐらいの出力機まで、どれもこれも少しでも優秀な人材に入社して仕事をして欲しいがためです。ということで、社長は社内で一番隅っこの一番小さな机に座ってます(しかも後ろが全面窓で夏暑くて、冬寒い・・・)。

掃除も徹底的にやるため掃除機もいいものに買い換えて掃除当番をきっちり決め、入り口の花をきちんと変えたり丁寧にやっています。数年前までは、そういうことに結構無頓着だったのですが、振り返ってみれば、雑然とした埃っぽいフロアで働いていたときは、やっぱり仕事は粗雑だったようで、当時はクレームが非常に多かったですね。最近は、ほとんど皆無ですから。

というわけで、積極的に定期的に模様替えとか、設備投資を行っているのですが、今回

オフィス環境は常に最善の状態を保ち、少しずつではありますが、投資して改善していきたい考えです。
こういうことには時間をかけたくないので即断即決でいきます。いまから17時までに、不具合のある点、改善要望、改造提案、どれでも一人1件まで、お知らせください。17時半には決裁します。

とメールを投げたら、8件ほど。全社員、ここが・・・と思っていることを改善できたと思います(よね?)。さすが会社のことを考えてる優秀な社員たち、来客用のグラスや茶葉、茶托、棚、本棚など総額2万円ですみました。あとはラジオの選局と冷蔵庫管理のルール改善など、約束通り全部で1時間できっちり決裁できました。

提案受付から決裁まで短期間の締め切りは初めての試みでしたが、これはスピーディーで非常によろしいように思いますね。月イチぐらいで改善やってもいいかもしれません。

「がっかり力」

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最近買った新書の多くがこの「がっかり力」をはじめとするアフタヌーン新書。

漫画雑誌は熱心に読まないので、どういう文脈でこの新書ができたのかはわかりませんが、あえて2ちゃん的な内容を書き下ろしの新書でというのは、ものすごくチャレンジャーで面白いと思いました。残念ながら中身はどれもこれも、それこそがっかりでしたが。

売れてるんでしょうか。正直なところ、ここ1年ほど、本は値段を一切見ずに大量に買っているので、買った後にこれらの新書が800円もするのに驚いています。半分仕事の資料だと思って、なおかつ財布に余裕があるから買っているわけですが、くだらないネタを購読して楽しもうと思うか800円。うーん。

本田透さんは「電波男」で知りました。面白かったので、以後新刊はチェックしています。発売当時「電波男」を読んだときはスゴイと思いましたが、昨日読み返したらそうでもなかったのは、それだけ当時の空気を絶妙に読み込んで解説していたんでしょうかね。それはそれで立派にスゴイことですが。

本書の巻末に、その「電波男」前後のがっかりな話があって、それが一番面白かったのですが、中でも編集者評が素晴らしいと思いました。

なんか、中身や表紙にあれこれ口を出すことが編集者の仕事だと勘違いしてカリカリしている人が、存外に多いんです。
違うんですよ。
編集者の仕事は、面白い本、あるいいは売れる本を作ることです。売れさえすれば、担当は寝ていてもいいんです。
いい原稿さえあがれば、担当は飲み屋でオネーチャンと騒いでいるだけでもいいんです。

仰るとおりです。元編集者としても、編集ってゲラに赤字を入れることが仕事だと思っているバカが多いと思います。サラリーマンなんだから儲け出さなきゃだめなんだってのに。でも、もうすぐ滅びると思うのでカリカリする必要もないでしょう。

がっかり力。

9時1分 1,000円の男

今日は社員の話です。

結構頑張っていると思われる男なのですが、セコイ遅刻が直らない男です。連日徹夜作業で頑張っていることも知っています。

しかし、難しい仕事を頑張っているから、人よりたくさん仕事をしているから、だから何だ。どうせ遅刻するなら昼過ぎに堂々と出社してくるぐらいの気概を見せたらどうかと言えば、エヘラエヘラ受け流す小心者ではないか。

今日、ある事案の打ち合わせのために1,000円の経費を使いたいのだが、事前に相談していなかった、許可して欲しいと、外出先の私にちょろっとメールを送ってきた。1,000円だから。必要なものだから。直前だけど知らせたから。いろんなテキトーな理由が透けて見える。

昔、給料が足りなくて生活できませんと曰う編集志望者がいた。自分の生活のやりくりもできないやつに、どうして貴重な制作予算を有効的に利用することができのか大馬鹿者と叱ったことがあるが、1分の遅刻や1,000円の経費の稟議に手を抜くようなやつに、どうして数ヶ月にわたる数百万単位の仕事を任せてみようと思うのか。

自分が社長になって考えてみたら、どれだけ大馬鹿者か背筋が寒くなってくる話だ。

と、こういうことを書いていると、決まり事をひたすら生真面目に頑張る手合いも出てくるわけだけれども、人に期待されるようなガムシャラな仕事ぶりを見せなければ、失敗もしなければ、叱られることもないだろうが、そのうち仕事を頼まれることもなくなり、相手にもされなくなって、一人静かに立ち去ることになるだろう。

それほどに、どんな会社でも、大きな失敗をした社員ほど、後で大きな利益を得ていると思うのだが、失敗にもほど遠い、せこくて、みみっちいミスを一刻も早く改めるべきだ、だから今日、あえて大馬鹿者と言ったことをありがたく思ってって感じだが、それは無理、社長甘いよと萩原に笑われそうだ。

そう、あれこれ社員のせいにしてみたが、社員の甘えた行動を甘やかしたままの、大甘社長がすべての元凶なんですね。大いに反省し、仕事の失敗を許し、小さなミスを許さない会社にしたいと考えています。

「売れる新商品」の見つけ方、作り方、手のうち方

  1. 販売ネットが最初にあって、そこに何を乗せるのかを決める。1.販売ネット、2.売り方、3.お客様、これを決めて商品開発に取りかかる。
  2. どんな新商品を開発するか、情報を収集する。情報が多ければ多いほど、成功の確率が高くなる。最低でも100以上の商品情報を集めておく。
  3. できるだけ多くの情報を集めたら、その中から社長としてやりたい商品を5〜6つ選択する。
  4. やりたい商品が選択できたら、その商品のモデルを作ってみる。何通りか試作品を作り、販売テストする。
  5. 試作品が決まったら、生産計画を立て製品化する。
  6. ライバルがいるかどうか、いる場合にはライバル対策する。
  7. テスト結果を反映させ、値段、商品名、デザイン、宣伝方法を決める。
  8. 発表計画と販売計画を立てる。
  9. 売上、経費、粗利計画を立て、それに沿って新商品の販売を展開する。
  10. 一定期間、売上傾向を見ながら、販売を継続するか、撤退するかを社長の判断で決める。

経営合理化協会の1万円ほどする本なので、紹介もおすすめもしませんが、これこそが今からやるべき仕事ということでメモ。

町の発明家の多くが貧乏なのは、「作り上手の売り下手」だからである。「作ることなど誰にもできるが、売ることが難しい」と考えた方がいい。そうなると売ることから入って、ものを作るという発想こそ大事である。

ああ、耳が痛い。しかし、どうすればいいのか分かったので後は早いです。即実行です。

ラスベガスを作ってしまうアメリカ人と、高速道路を作ればいいと考える日本人

CSI:科学捜査班、グリッソムやホレイショみていると、今のアメリカ人にとっては、ああいう一見クールに見えるけど、内面は滅茶苦茶熱くって浪花節というのがヒーロー像なのかなぁと思います。日本のドラマも似たようなテーマが増えてて、主人公の設定などかなり意識しているんだろうなとは思いますが、決定的に間違っているのは、そもそもドラマの構造が「群像劇」だから面白いのであって、科学捜査がテーマだったから面白いわけではないということ。もちろん、そんなこと素人に言われなくても現場の人にとっては百も承知で、実現しようにも世界的な市場で作っているドラマと比べられても、という思いもあるんでしょうけどね。

と、CSIは、NYやマイアミも後からできましたが、なんで最初に舞台設定をラスベガスにしたんだろうか?と、そのあたりよくわかりませんが、毎回みていると否が応でもラスベガスっていう街に興味を持ちます。皆さんご存じのとおり、ラスベガスは砂漠の中に作られたギャンブルの街。最近、映画「バグジー」が、ラスベガスにカジノ付き大ホテルを最初につくったベンジャミン・シーゲルの話だと知って見たのですが、ものすごい滅茶振りですね。ああでもしないと街は作れないものかとその情熱に圧倒されました。

さて、ドラマに映画にいったいどんな与太話かと思われそうですが、ラスベガスを作ったアメリカ人に見る、いわゆるフロンティアスピリッツというものがどういう情熱を指し示していて、翻って自分がいかに日本人的な気質に染まっているのか痛切に実感してるという話です。

要点はこうです。一人の情熱ある(この場合、しかない、のかもしれないが)男が、砂漠にカジノ付き大ホテル、フラミンゴ・ホテルを造った(造ることを決めた)。そうすると、そこに面白みを感じた有象無象が集まって最終的には世界的な観光都市ができあがった。観光地をプロデュースするのに、コンセプトアトラクティブという考え方があると以前もブログに書いたのですが、ラスベガスの場合は、観光地となるホテルそのものをゼロから造ったというところがさらにスゴイ話です。

で、どうしてアメリカには、自分にとって参考となるウェブメディアが多いのか、シリコンバレーの話を読んでも、天の邪鬼な自分には、ほんとうにそんなにスマートでクールにやってんのかね?と疑問だったのですが、ラスベガスのような街の作り方を体感しているアメリカ人という視点からみると、ああ、ウェブが彼らにとって新しいフロンティがであって、そうやって情熱を傾けているのか、としっくり納得できた気がしました。

どうしてこんなことを今日、思ったのかといえば、先週の河野さんとの事業戦略MTGで、危うく誤った戦略を選択するところを間違いを正してもらったためです。ウェブメディアを作ろうというのに、そういった本質を押さえずして、どのサービスがどうだとかレビューを繰り返したり、または、ツールやデザイナーを増やしても、ほとんど意味がないということ(それはやって当然だという話)。必要なのは、作ろうとしているものが「人が集まる」ものなののかどうか、ということであって、集めるためにやっているのか、作るためにやっているのか、胸に手を当てて考えたら、前者を考えつつ、実は一生懸命後者の戦略をとっていました。

どうしてそうなんだろう?と考えてみて、日本人のメンタリティなどと、大雑把な議論にしてはダメなのはよく分かっていますが、それでも、もはや原野を開いて都市を作ろうなどという場所すらリアルに残っていな い国土に生活していたら、人が来るようにするためには、もっと道路を造ろう、どうせなら高速道路がいいんじゃないか?いや新幹線があったほうがいい。とい う発想になりがちなんだと感じています(政治家や官僚を笑えません)。自分では、既存のシステムから独立して考えられると多少自惚れているところがありましたが、待ったくの誤り。どっぷり現体制に使っていると思い知らされています。

ハブメディアでの事業提携を検討中

今日は具体的にハブメディアプロジェクトを提携して展開したいという会社に出向いてきました。事務所から徒歩3分という近所です。

大手企業をクライアントに持つシステム開発会社ですが人材派遣の部分でかなり運営ノウハウに長けた会社のようで、受託開発だけでなく開発業務を社員にも積極的に手がけることを進めていて、提案してくださった方も、実はこの会社で働きながら当社の外部スタッフとしてテクニカルライティングで協力していただいている方です。

今回は明確に、執筆と編集の分業でハブメディアを大量生産できる可能性が見えてきました。なによりビジョンに共鳴してくださって問い合わせてくれたということで、とても話が早いです。

このところ制作案件はたくさん増えてきたのですが、そろそろ本格的にハブメディア編集者が不足してきました。さて、人材確保どうしようかと考えていますが、そういう視点で、このヘッドウォータス社の社長さんのブログを読んでいて、人材育成感には共感できる部分が多いです。

当然、リーダーとして、ビジネスパーソンとして一流を目指さなければならない。この両面を徹底的に要求するのがHWSだ。どちらか一方をやっていれば、安定な未来が手に入るならHWSなどいらない。エンジニアは他社へ行けば良い。

育成とは要求すること - 株式会社ヘッドウォータースオフィシャルブログ

一見鬼のように見えますが、私には仏の社長さんだなぁと思います。

エンジニアの前にビジネスパーソンたれというのは、当社もまったく同じで、クリエーターの前にビジネスパーソンじゃないと話にならないので、いくらパソコンの前でマウスをカチカチしてても編集者にもデザイナーにもなれないよって言っているのですが、まぁ気づかない人はいつまでも分からないのかもしれませんね。

メディア作りの仕事に取り組む情熱ある人を集めたいと思いますが、情熱がある人というのは、具体的にいうと厳しい要求を乗り越えて成果を上げていける人ということで、大声を出していくことではありません(声出さないよりはいいけどね)。

で、会議室から御苑が一望できました。実はここのビルは狙ってたんですよねぇ。いいなぁ。

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「新世紀メディア論」 − [mi]みたいもん!

ただ、ここに書かれていることはとっくに現実になっていて、その現実を受け入れられるかどうかで、出版社のネット戦略は大きく違うものになるだろうということは想像できます。

[mi]みたいもん!

いろいろなレビューを読んでいると、みなさん本書の造本について感心されておられて、さすがこばへんスゴイという感想なのですが、私も小林さんは、書籍や雑誌というデバイスには大変愛着を感じておられるのだろうし、それが絶滅するなどということは全く考えておられないと思います。これからもいい本は売れ続けるだろうし、新聞や雑誌はなくなるかもしれないけど、本は絶命しないだろうと思います。

小林さんも冒頭で、出版業界を取次制度依存業界に過ぎないと断じ、出版という言葉を再定義しようと仰っているとおりで、新しい出版をやっている出版社もあれば、どっぷり依存体質でやっておられるところもあって、後者の場合ネットメディアの現実を受け入れたら会社自体が成り立たないんじゃないかと思います。少なくとも依存体質の会社はネット戦略(ってどんなのか分からないけど)でなんとかできる範疇のことではないかと。

デジカルとしては、いい本を作っている出版社とは引き続きお仕事をしていきたいし、自分たちでもネットメディアも作っていきたいし、ネットメディアを作りたい人とも一緒に仕事をしていきたいし、そのこと全てをひっくるめて新世紀メディア論の「出版」と理解しています。