2015年に読んだ本No.1はこれ。というよりも今まで読んだあまたのExcel本の中で、本書がNo.1だといっても過言ではありません。

入門書からVBAプログラミング解説書まで、Excelについては一通り本を作ってましたから、それなりにExcelを使えるつもりですが、実はそれが仇となって、人に作ってもらった集計表をチェックするのがストレスになって仕方がありませんでした。

どうしてもっと見やすく作れないのか、これ計算間違っているじゃないかとか。

簡単な話、チームでExcelシートを作るルールを決めておけばいいのですが、そんな隙はないと後回しにしていました。それが本書を読んですぐに、これを社内のExcelルールにすると決めて運用を開始すると、これまでのチェックストレスが一掃されました。

書いてあることは至って簡単です。どういったレイアウトでどのように書式を整えると見やすいよわかりやすいよ。間違いもすぐにわかるよ。ただそれだけです。

小さな会社なので日々の業務報告を読んだり聞いたりしていれば、それと月次の集計が違うことはシートを眺めると直ぐに発見できます(不思議なことに目に飛び込んで来るんですよね)。

もっともそれは経営者としては当たり前のことであって、本来見つけるべきは、そういった間違いではなく、将来への変化の兆しであるべきです。

それと今後、事業規模を拡大するにあたり、中間管理を置いて現場情報が直接入らなくなったとき、果たして間違い探しができるだろうか、と不安に感じていたのですが、本書によってその懸念を払拭することができました。

また、本書を読んで、投資銀行の末端業務ってDTPオペレーターみたいなものだなと思ったのですが、きちんと工程を積み上げて計算して作っている人と、直感を頼りに力技で間に合わせて作っている人の違いは、やはり成果物としてにじみ出てくるものだなと思いました。

これはシステムエンジニアやウェブデザイナーでも同じかもしれませんが、コンピューターを使ったモノづくりにおいて、しっかりと養成していく必要があるポイントだと思います。