年度末押し迫ってきました。現場は追い込み仕事で大変ですが、社長としては一人嵐の前の静けさを感じてます。行く先は五里霧中で先が全く読めません。しかし、間違いなく混沌とした状況が現れると思っているので、それでも迷わず前進する方針とともに原点回帰を強く意識しています。

そんなときに先生から「二宮翁夜話」を勧められました。二宮尊徳ってあの薪を背負った道徳少年で、軍国主義と一緒に葬られてしまった人物だよね、ぐらいの認識しかありませんでしたが、先生からこの人は江戸時代の経営コンサルみたいなものですよと言われ俄然興味が湧いてきて、読んで見ると面白い。今更ながら尊徳仕法のことを知って、改めて自分の中の近世史の断絶を知りました。

そんなことがあって江戸の新田開発や農村立て直しのことを勉強したいと本屋を廻っていたのですが、この分野って本がほとんどないんですね。ようやく見つけたのが本書だったのですが「江戸時代から見える日本」とのサブタイトルで、内容も一般向けに優しく書いてあり、まさに探していた本でした。

当然経営者目線で読んだので歴史的な評論解説は端折りますが、「村」の構造は「会社」に引き継がれ、その会社がいま溶け出している現状をみると、江戸時代的な社会構造も間もなく完全に無くなってしまうのだろうなと思いました。

しかし、この「村」を構成維持しようとしてきた人々の性質の部分を理解することで、その次(会社の次)を見据える重要なポイントを発見できそうです。

そういう意味では、園山さんの農耕型企業風土作りの経営手法は、現代において本当に正解に近いお手本だと改めて実感しました。

結局のところいつの時代も目指すべきことは同じく「いかに生産性を高めるか」ということですね。もう少し江戸の農村経営について調べてみたいと思います。