ネット証券の登場で株式の個人売買が活性化したように、Amazon Kindleの登場でいよいよ個人で電子出版の時代になってきたと思います。

文化的な目的の出版活動もあるので一概に儲けが重要と言い切れないですが、やはり個人で電子出版を目論んでいる人の多くは、印税収益で儲けようという思いが心の奥底にあるのではないでしょうか。しかし、ネット証券で多くの人が儲けられなかったように、残念ながら電子出版も個人の多くは儲けられないだろうと思います。

投資アドバイザーの方に話を聞く機会がありました。曰く、投資に必要なことは、1.リスクをとること、2.マクロ(世界)が動いていることを知ること、3.ミクロ(企業)はもっと動いていることを知ること。だそうです。その程度のことは当たり前だよ分かっているよと思っている人も多いと思います。

しかしながら実際には一度投資したものをリバランスすることなく塩漬けだったり、巨額な銘柄を買うにも関わらず安易な判断したりという、投資ならぬ投機がまかり通っているのが実情だということでした。

個人でなんとかしようとするのは、要するに1人勝ち馬に乗ろうとしているというわけですが、そもそも素人が勉強してプロに勝てるはずがないこと、そして何よりも日本人の行動習慣として、助言や発想に対価を払わないことがその失敗の根底にあるのではないかというお話でした。

投資アドバイザーの方に、では素人とプロは何が違うのか、もしくは優れたアドバイザーを雇うために必要なことは何か? と尋ねたところ、間髪入れずに帰ってきた答えは「経験」それも失敗した経験のあるなしこそが、本当に役に立つそして成果を上げるプロのアドバイザーを雇うための見極めポイントだということでした。

話を聞きながら、今後も電子出版事業を立ち上げるにあたり、絶えずお客様のための研究開発、販売努力を重ねることのみが重要であること。最初から儲けを考えるべきでなく、その経験こそが価値であると思いを新たにしました。

また、そのアドバイザーの方から、プロの投資家は「辺境地は未来の大都会」という発想をもって仕事をしなければならないという話を聞きました。人がすでに集まっていることろに儲け話はないというごくごく当たり前の話ですが、なるほど荒れ地と思われているところもよくよく調べて、未来の大都会の地になる未来像を結像する思考が重要なのだと思いました。

そして昨日までは自ら開拓地の屯田兵と卑下しながらやっていましたが、これを近代の電鉄会社の経営者の頭で事業を考えようと思い直しました。屯田兵では畑と自宅を造るので精一杯ですが、電鉄会社であれば住宅地も遊戯施設も百貨店も作れて人が集まり楽しく長く住み続けることができますね。

ということで、まずは何処にレールを敷くのか。その調査から始めていますが、同時にいずれ敷設するレールや列車の発注も開始しました。そして列車を動かすための仕組みを考え、燃料と運行するための人員も集めています。

先月から地道にこれらの作業を進めていますが、そこで感じることは経営の仕事とは一にも二にも人集めだということです。社員に顧客に取引先にすべて人です。

今月から電子書籍の総合出版社を作ろうという志のある方と組んで仕事を始めます。まずは半年で日本の鉄道会社のようなしっかりロジスティックの土台を完成させます。次に人が集まるような施設を作ります。つまりプロモーション施策をまとめ実行したいと思います。

新しい社員に留まらずこの開発に必要な人を集めるべくさらに知恵を絞り実行に移します。2年ほど前に焼け野原の日本を想像して、段々そうなっていますが、今度はレール引き放題の広大な原野が目前に広がっています。

大変面白くなってきました。