40代は大変だよ。と両親にも言われてきましたが、本当に言われたとおり、まさに働き盛り、格好よく言えば人生の盛夏のごとくフルパワー活動の毎日です。

昔から私を知っている人は、ワーカーホリックは以前からのことだから今更忙しいもないだろうと思うでしょうけど、40代になっての忙しさは、その量はもちろんのこと、忙しさの質が異なってきていると感じてます。

いや別に40代だからではないですね。求められる仕事の質が高くなってきているためにそう感じるのだろうと思います。有り難いことだと思います。

本書はそういった実感を持っている人には、手軽に、今感じている違和感を解消することができるハウツー本だとは思います。ただ実際のところ、課長の現地現場で奮闘している人は、こういう本を読む暇もないだろうと思いますし、もし貴重な時間を割いて本を読むならば、こんな簡単なハウツーではなく、漢方薬のようにジワジワと効果のある本を読むべきだと思います。

その点で気になったのは「課長の時間術」を身につけるのが「できる課長」になるためだという点。「モテたい」から「モテる技術」を身につけるというような皮相な感じを受けました。著者の方が元リクルートの方ということで、そのスタイルになんとなく納得しましたが。

これは他の本を読んでもよく書いてあることですが、30代の連続で40代は過ごせないということ。本当に質の高い仕事をするためには、これまで以上に時間を有効に使う必要があり、それを徹底して実践できる人は、職場でも家庭でもしっかりと人としての存在感を示すことができて、結果「できた課長」として認識されるということではないかと思っています。

それでも自分は人に評価されたいから仕事をしているわけではないですね。極端なことを言えば、現世利益を追求するような仕事ぶりでは、将来さらに楽しい仕事に取り組むことはできないのだろうなぁと感じています(だからといって、もちろん老後のことを考えて仕事をしているわけではない)。

本書を読んでいて自分にとってどうして時間が足りないことを問題と感じているのかを考えてみましたが、それは本当にやりたいことに行き着くためには24時間をどうしても有効に使わざるを得ないというその1点につきます。

紙の本を作る仕事をしています。電子書籍の企画をしています。ウェブメディアやパッケージメディアを作る仕事をしています。その他、財務の仕事や社員とのコミュニケーションを個別にやっていると、緊急性は高くないが重要度が極めて高いと考えている、コミュニティメディアを作る仕事になかなか行き着きません。

なぜコミュニティメディアを作る仕事を頂上に据えてやろうとしているのか、その答えは「場」をつくること。それは人が集まる広場なのですが、将来的にはそこは当社の「売り場」となるところです(集まった人にとっての素敵な「買い場」というのが本質だと思う)。

本を作る仕事も、電子書籍の企画も面白い仕事です。携われること自体大変幸せなことなのですが、さらにその先に、作った本を買ってもらえる場をつくることを考えています。やっぱり作った本がどんどん売れた爽快感を何度も味わっていたいからなんでしょうね。

そうこう考えるうちに、もはやその「場」では、本に限らず違う商品やサービスでもよいと考えるようになってきましたが、いずれにしてもそういう取り組みの先には、もの凄い肥沃な大地、豊饒の海が広がっているように感じてならないのですね。そこに行き着きたいなと。そこに行ったらみんな儲かるだろうなと。

話が大幅にそれました。この話は違うエントリーにします。

今回のハウツー本。1つこれは実践しようと思った項目。以前から考えていてきちんとやり遂げられていなかったことですが。

どんな企画書も、「45分でA4用紙1枚」にまとめる

ということです。新人に企画書のレクチャーをしているのですが、若者にありがちな時間をかけて自分の頭を捻ればいい物ができる方式の努力の仕方をみていて、どうやったら過ちに気づかせることができるだろうかと考えていましたが、そんなことを教えている暇はなかったですね。放置して自分がどんどん作るべきでした。

週初めには提出すると社員に約束していた企画3案。これから45分で作ります。

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