4月で稽古を初めて3年目突入です。

先輩方といっても、中には他では先生をやっていらっしゃる方もご一緒なので、かなりハイレベルなところに加わっているのですが、このところ、花月といって、5人で札を引いて順番に亭主や客を交代で行う稽古があって、ようやくその末端にも加えてもらえるようになりました。

それでも、まだまだ、手が違う、置く場所が違う、動作が速いなどと様々注意され続けているのですが(まぁ先生には一生言われ続けるわけですが)、よく犯しがちな過ちは、茶碗を引いて、茶巾をとって、次は何?などと、頭で先に先にと「自分の所作のことばかり」考えていて、肝心のお茶がおいしくない、ということです。

簡単な点前でも相当の集中力が必要ですが、それでも手順を間違えます。慎重にやって、さらにお茶を美味しく点てるためには、相当の鍛錬と準備、それに裏付けられた余裕があって、さらにその先に客を思いやる心が必要で、そういうことを失念しがちです。

これは仕事でも全く同じでしょう。社員を見ていても同じことをいつも思います。自分の技術を磨くことばかり考えていて、もしくはゲラをつくることばかり考えていて、執筆者や依頼者や同僚や協力者のことがすっかり抜け落ちている人。そして、そういう人は肝心の品質が足りないことがほとんどで、「自分の力が足りなくてすみません・・・でも、自分はこんなに頑張っていますよ!」と。

あくまでも自分の気持ちだけが大切なようです。

会計参与の前沢先生にも、これからは、日本人の質がどんどん落ちていく、そういう中で社長はどう経営をするのか?ということを毎回、問われています。

先日、歓迎会があるというので店にいったら歓迎すべき相手が待っていて誰も来ていません。昨日、会議をしたら予定時刻の5分を過ぎて、集まって くださいと声をかけられて、ようやく集合。嗚呼。社長の日頃の行いが良くないですね。こういうのを叱り飛ばしていかないと、この人たちは一生、子供の感性のまま生きていくんだと。心を鬼にして叱って行かねばと思いました。

相客に心せよ。

でも、これが、ああなるほど、こういうことなのかも、と頭にはいってくるためには、相応の稽古が私にも必要でした。

だから、今いくら社員にブログやメールで訓示をしたところで、彼らの頭には一切入らないでしょう。

その稽古にしても、最初、師匠に、背筋を伸ばしなさいと注意されたときに「もっとお腹を出しなさい」と教えてくれたのですが、そうやって、ああなるほどと思える指導を考えたいと思います。