また連休でしたね。お上に決められたお休みを唯々諾々と受け入れるだけの連休。もはや何の祝日で休みなのかその意味すら失われていて、こんなバカバカしい制度は即刻廃止して、自由に長期休暇を取れるような社会に変えるべきだと思っていますが、それはそれとして。

この連休はお茶会に行ってきました。お茶会といっても青年部主催のもので、会費も1,000円という破格、スーツ着て気軽な感じでいってきました。この青年部、50歳までが「青年」ということで、どんだけ先が長いのかという話です。まぁ要するにこれに入会しなさいという先生のお達しです。いちおう先生の推薦が必要ということで、推薦されるだけ認められてはいるんだなとは思いましたが、いよいよ休日もあってなきがごとき状況になるわけですよ。

まぁそれもおいといて、気軽な感じで席入しましたが、先生の引率で席入りなのでこれは大変に勉強になります。道具の見立てとか、立ち居振る舞いとか、自分の弟子が水屋仕事をしているということもあって、帰り際に細々と実践的な指導をされているのをみて、確かに青年部に加われば相当に上達するだろうなとは思いました。

で、今回は、その青年部入会の勧誘が目的になっているので、他の社中の先生から、若い人たち向けにということで特にお話があったのが掲題の「気働き」ということ。

わかりやすくいうと気遣いですね。茶道にはいろいろな決まり事があるわけですが、だからといって例えば一緒に知らない方と席入りしたとして、その方が懐紙を忘れていたら(あ、あの人間違ってるわ)なんて思わずに、「どうぞ、お使いください」とさっとさりげなく渡してあげられるかどうか、つまり点前の技術を磨くだけでは何の意味もないわよと仰っていたのですが、これはそのまま仕事の話でも同じだなと考えながら聞いていました。

お点前は複雑なだけに、ともすると手順や道具の配置をなぞることに一生懸命になって、お客様に美味しいお茶を爽やかな場を作ってお出しするという本来の目的を忘れがちです。なので自分のことだけに一生懸命にならないようにという教えだと思うのですが、それはこういった青年部のようなお茶会の実践の場がないと精進できませんよという先生のお話でした。

いままさに「営業」に出て行くように、席を温めないようにと口酸っぱく言っていますが、思いはこの先生と同じです。当社も作る会社ではありますが、自分の作る作業に没頭するあまり、何のために何を作っているのか、本来の目的を忘れないようにしなければなりません。

複雑に頭と手を動かす必要のある仕事だからこそ、社員の皆さんには実際にお客様にお会いしてこの気働きを実践して欲しいと思います。技術がないと話になりませんが、技術があるからって仕事ができるとは限らないってことです。

もちろん社員同士の職場での気働きは当然のこと。あえて言うまでもありません。