あるかしら書店

何しろ子供4人に対して、絵本の読み聞かせの記憶が片手に満たない程度です。この分野には縁遠くて、というのは言い訳ですね。

業界人としては今更のレビューでかなり出遅れなんでしょうけど、先日、著者に教えてもらって購読しました。

面白いです。

『本のその後』のところは思わず笑ってしまいました。そして出版する身としては、終わりの方は、かなりシミジミきます。

Kindle版もありますが、やっぱりこれは本で買うものですね。マルチプロダクトの思いはさらに深まってきました。

25万部突破。夏休み限定カバー。売れるっていいですね。

『コンピュータサイエンス図鑑」を読んで元気がでた話

学校の勉強はあれだけどサイエンティスト基質のある次男向けにと買ったのですが、渡す前にパラパラ読み始めたら面白くてあっという間に読了。

正確に理解できていなかったのは4%ほどで、まんざらでもないなと元気でました。

同世代の方には多いと思いますが、私も高校生のころにNECのマイコン BASICからスタートしてデジタルの世界に入って、Windows95のβ版で散々動作検証させてもらえるところからパソコン解説書編集者としてスタートという運の良さで、ネット平成史も全部見てきてここまでやってこれました。

途中、ビジネス書の世界も楽しませてもらいましたが、そのコンテンツの多くは、生産性追求するコンピューティング思考を前提にするライフハックで、そういった面でもここまでの流れに無駄はなかったなと振り返ってます。

いまは柱となっているエディトリアルデザインの世界からコンテンツの世界を見ていますが、引き続きデジタルとオフラインを同時に見渡せるような場所で、もう少しオンライン側にシフトした仕事に取り組みたいと考えています。

そういう意味では、いろいろ大変だとはいえ、好きな仕事をさせてもらえる幸せはあるなと思います。

ただ、現場を見ながらマネジメントをするのは限界もあり、かつビジネスよりの仕事に集中もしたいので、デジタルコンテンツ制作面でミドルマネジメントを担ってもらえる方を探しています。

ネット平成史を体感していて、構造化マークアップがピンとくるデザイナーで、そろそろ現場から足を洗って、次のフェーズの仕事をしたいな、などと思っている40代の方。

超ピンポイント。

追記:

アイキャッチにネットに転がっていた誌面画像を使わせてもらってます。デザイナー増強して営業強化してますが、この仕事こそ当社でやりたかったなと。

運び屋

ツイッターで「仕事人間」は観るべきとの映画評を見て、昼休みに観てきました。

アクションもサスペンスもほぼ無いのですが、それがかえってリアルで、共演者も豪華だったのでのんびり楽しめました。

それで仕事人間としては、働き詰めで家族を顧みずの人生、90歳でもやり直せるんだなと前向きに捉えました。

クリント・イーストウッドが、麻薬カルテルの監視役に、そんなに生き急がず俺のように楽しみながら仕事をしろと語っていて、あぁそういう境地を目指さないとなぁと一瞬思いましたが、若い奴から「じいさん凄えな」と言われるようなかっこいい爺さん目指すには、もっと働き詰めで一度は仕事で突き抜けるような経験が必要だなと決意も新た。

グレイテスト・ショーマン

映画『グレイテスト・ショーマン』オフィシャルサイト

遅ればせながらwowowで。常日頃、仕事ばかりで無趣味な人間と思っていますが、映画、ドラマは寸暇を惜しんで観てますね。

一時期、取り憑かれたようにリアルな戦争アクションモノか過激なホラー・サスペンスしか観てなくて、いま思えば病んでいたなと思いますが、次第に昔の邦画や海外ドラマから人間ドラマに移行して(あらかた観尽くして)、最近はこの手のエンターテイメント作品を休日に観ることができるようになってきました。

ということでのんびり観始めたのですが、妻子の幸せのために頑張っていたのがいつの間にというストーリーには、ミュージカル・エンターテイメントでドロドロしてないとはいえ、リアルに胸えぐられるものがあり現実に引き戻されました。

P.T.バーナムという人のことは知りませんでしたが、経営はアートだと思っているので、この言葉は心に刻んでおきたいと思います。


軍事の日本史

とても読みやすいのですが、読み進めるたび気づきを得られメモしてしまうので読み終えるのに時間がかかりました。

血湧き肉躍るような戦闘シーンは一切ありませんが、サブタイトル通りの「戦国時代のリアル」を感じられます。

30代のころまでは信長一辺倒で、次第に秀吉はすごいなと思い始め、いまとなっては家康が研究対象ですが、本書を読んで改めて秀吉の先進性や家康の哲学に学ぶところが多いことを再確認しました。

経営者になってから、なぜ戦国大名は戦ったのか、という問いがさらに深まって、最近はおおよそこういうことだったんだろうなとは理解できるようになってきていたのですが、中世からの軍事を科学的に分析し、丁寧に読み解いてあって、完全に腑に落ちました。

どうしてこういった視点で読み解くことができたのだろうと思って、あとがきを読んで「弱者視点に立った日本史」に納得しました。

よく「歴史の勉強が足りない」「近代を勉強しないから問題だ」などとマスコミで言われていますが、ずっと本当かなと思っていました。本書を読むと、そういったことを言っている人の方が勉強が足りないとわかります。なにより人間がわかってないですね。

それにしてもAmazonに戦争オタクのトンチンカンなレビューがあって、読みやすい本を作るということは、こういう人に届くようになるということですね。

そういう本を出版したいとの思いが強まってきました。


大いなる旅路

出張で京都に泊まったときは、翌日の新幹線を午後にして、寺社仏閣に立ち寄って帰るようにしてました。

ただ何度かやっているうち、あまりに貧しいなと思えてきて、もう仕事のついでで寺社仏閣へ行くのは止め、代わりにわざわざ京都に行ってまで行かないようなところにしようと、今回は京都駅前のPHP社にある松下幸之助記念館と、新しくできた、やはり駅近くにある京都鉄道博物館に行くことにしました。

もともと記念館の方で資料を漁ろうと思って、博物館の方はネットニュースでちらっと見ただけで詳細を調べてなかったのですが、現地についてここがあの梅小路蒸気機関車庫であることに気づきました。

小学生のときに図鑑で見て以来、いつかは行ってみたいリストに載せたまま自分でもすっかりその存在を忘れていたので、感激のあまりすっかりはまって幸之助記念館はほんの少ししか立ち寄れず、危うく新幹線にも乗りそこねるところでした。

小学生のときに写真でみたときには大迫力だったけど。いまはそれほどでも。

いまや機関車より建物の方に興味があって、これとても100年前のものとは思えない。鉄道コンクリート建築物で最古のものだそうです。

排煙装置がついてます。これを真下から覗いてみたかった。穴が空いているだけですが。

結局、今に至るまで走っている蒸気機関車に乗ったことはありませんが、博物館で見慣れているのでこちらはもう感動が薄い。

大正昭和初期の建物が好きで巡っていますが、保存されていたり再建されていたりとそのままのものが少ないので、ここはある意味現役で別格ですね。

実はこれほどまでにここで感慨にふけっていたのは、つい最近AmazonPrimeで「大いなる旅路」という映画を見たためでした。

映画の解説は上手くできないので、詳細はAmazonのページを参照して欲しいですがレビューも絶賛の嵐ですね。戦前、戦中、戦後を通じて変わらぬ男の仕事と、時代に翻弄され大きく変わる家族とその幸せといったストーリーで、本物の機関車を転覆させていたり、結構古い邦画を見ていたつもりですが、まだこういう名作があったのかと、まさにこの機関車庫はその映画の舞台のようでした。

加えて博物館で続編的な映画があることも知り帰ってすぐに見ました。モノクロ・カラーの違いもありますが同じ年の映画なのにこちらは随分軽薄な印象で、そのあたり時代の変遷も知れて面白いですが、「大いなる旅路」は帰ってからもう一度見ましたが、こちらは1回で十分です。

この他、関連お薦めアイテム2つ。

この新幹線大爆破もPrimeに出ていますね。何年か前にネットで知る人ぞ知る名作と知ってDVD買いました。これと「砂の器」をたまにBGV代わりに流していると、次男が「また観てる。これもう3回観た」などと言ってくるやつです。

「大いなる旅路」では若い高倉健(とても若い!)が、次男の役で運転士となって特急こだま号を運転しているのですが、その十数年後に、今度は新幹線爆破しようとしていたのか、と思うとなかなか味わい深いです。

もう1点は書籍です。分厚いのでまだ読みかけです。


国鉄改革のときに何があったのかが克明に描かれています。「大いなる旅路」でも、戦中の軍歌が戦後になって労働歌になって、デモしている職員を横目に黙々と働く様子が描かれていますが、その成れの果てがこれかと。JRになったときは高校生で物心ついたときにはストなどは沈静化していたように思いますが、あれじゃあ解体されて当然だろうなと思いました。

それにしても「大いなる旅路」で、機関士が男の一生の仕事と描かれていたころから80年ぐらい。平成も間もなく終わりですが、もはや男のロマンみたいなものはカケラもありませんね。どこにいったのでしょうか。

誰が一木支隊を全滅させたのか

金曜日に買ったのですが読みやすかったので週末に読み終えました。

ガダルカナルの初戦を日本側の現場をミクロな視点から実際はどうだったのか、一木支隊長の人物像や遺族、生き残った隊員のオーラル・ヒストリーも交えて詳細に再現してあります。

敗軍の将であることや、突撃して全滅していることから「定説」としては、猪武者と表される一木支隊長ですが、実相としては、理知的かつ人間的魅力に溢れる現場指揮官で関係者の人物評も高い人物でした。

盧溝橋の現場指揮官として有名になったあとも、上官の牟田口連隊長が自らの功績と自画自賛する一方で、たまたまその現場を担当しただけと謙虚な態度だったというエピソードが印象的です。

ミッドウェーの攻略部隊として出征し、海戦敗戦の事実を秘匿する理由でグアムに留め置かれ、そのままガダルカナルに正確な敵情を知らされること無く転戦させられますが、この間、部下の掌握に努め士気を高めており、あの牟田口連隊長をしても「極めて勇敢で、用意周到な人物であった」と表するだけあって、著者は「一木支隊長の統率は、陸軍が明治揺籃期より追い求めてきた統率の一つの完成形」と分析しています。

それだけに、すでに歴史として知っている17軍司令部と大本営とのやりとりを観ながら、何も知らされず愚直に任務を遂行する一木支隊長の立場を俯瞰してみるとやりきれない思いです。

ただ私自身、大組織のなかなか曲がらない様子をみていたり、自ら監督している事業の成果を上げられなかったりすることを振り返ってみると、当時の軍司令官や参謀と同じ立場だったとしていったい何ができたのかと、諸行無常との感想で、支隊長の長女の、良き父親としての思い出話を読んだあとで、一木大佐が戦死したのが49歳だったというのを知って、さらに感慨深い思いです。

ノンフィクションの読み物として面白かったのですが、なぜ「全滅」したのか、どうしてそれが教訓として生かされなかったのか、ということに関して、日本とアメリカの組織の違いについて、「任務重視型」と「情報(環境)重視型」の違いをわかりやすく解説してありました。

この点、まさに組織の改革を実践している真っ最中なので参考となりました。私自身、経営者としては後者のつもりでしたが、まだまだ不足していることを知らされた感じがします。

「将軍」の本

ソフトカバーのビジネス書もまだ少しは読んでいますが、最近は手に取ることが少なくなりました。ほとんどが読んだことある(実践している)内容になってきているためですね。

そこで最近見つけた新しいジャンルは「将軍の本」。ロジスティクス、リーダーシップ、戦略について最近読んでいる3冊を紹介します。

上2つは湾岸戦争時のアメリカ陸軍の将軍の本でかなり古い本です。たまたま見つけました。

ロジスティクスは、この先経営者として仕事を続ける以上、恐らくもっとも考え続けなければならない分野の1つと考えています。兵站が大事などということは、それこそ中学生のころから知ってましたが、それが具体的にどういう仕事をすることなのかは、最近になってようやく体感で理解できるようになってきたところです。

リーダーシップについては、日本のビジネス書は畳の上の水練教科書のようにしか思えず、せいぜい書店でパラパラする程度なのですが、一軍の将たる方が、若き小隊長のころからどのように考え行動し、将となったときにどのような心の置き方で振る舞ったのか、よくここまで記録や記憶が鮮明に残っているものだなと驚くとともに、いまの自分にはあまりに吸収濃度の高い内容で、なかなか読み進めません。

戦記物は腐るほど読みすっかり飽きましたが、なぜこの分野の本をこれまで手に取らなかったのか後悔するほどです。もっとも、これまでの自分の仕事が、せいぜい下士官レベルのものだったということなのだろうと思います。

最後の1冊は自衛隊の将軍ですが、日本のビジネスパーソンの生産性向上には、戦力回復の観点が抜けているとか、目から鱗が落ちる内容です。

山・動く―湾岸戦争に学ぶ経営戦略

リーダーを目指す人の心得

自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質

【観た】真田丸 第5回「窮地」

真田丸面白いですね。

官兵衛をやっている頃は、ちょうど交渉事に勤しんでいるころで、板挟みの成り具合など、自分の身に置き換えて楽しんで見てましたが、真田家の方はより零細企業感丸出しでなお一層状況を楽しめます。

ナレーターが重々しく語る戦国絵巻物のような予定調和な展開ではなく、今作の脚本家らしいリアルタイム感溢れるドラマ運びで、歴史的大事件も、当時の人々には一体何が起こっているのか、直後には全く分からなかったという極めて当たり前のことを改めて気づかせてくれました。

しかし、信長が死んで真田昌幸が長男に本心を尋ねられるシーンには笑いました。

ここ数年、社内でずっと「この先どうなるか全くわからない」と真顔で力説していたのですが、これで堂々と言えます。

全く分からん!

【読んだ】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』

ジャケ買いしました。最近カバー加工されている本が少ないのでそれだけで目立ちます。

室町は教科書では退屈な時代ですが、現代の辺境と中世という切り口によって立体的に時代の様相をつかむことができました。辺境ライターと学者のうんちく対談という構成も面白いと思います。

江戸時代という特殊な時代を経て、その延長線上にあるのがいまの日本社会。その中世から続いてきたムラ社会が溶け始めている。

なるほど、応仁の乱後の乱世を通じてセーフティネットとしての村落共同体が生まれ、近世を通じてそれが強化され、高度経済成長で田畑を基本とする生産場所が製造業に切り替わり、そしてそのカイシャが終焉を迎えつつある。

以前も書きましたが、生産基盤が田畑からそうじゃない新しいものに置き換わっているだけで、経営の基本は領国経営から変わらないと感じるのは、そういう中世末期のような混乱の様相でサバイバルを実感するからなんですね。

そう考えてみると、再び戦国のような乱世になるかどうかはわかりませんが、昨年読んだ本で「現代は維新というよりは室町末期」という話とも繋がりました。

それと去年は村について研究しようと思って、いろいろと本を読んでみたのですが、しっくりこなかった理由もわかりました。そもそもムラ社会がなくなろうとしているわけですから。

帰属意識のなかった中世の農民、現代でいえばさしずめフリーランスでしょうか。確かに最近はプロジェクトベースで仕事をしているという点でもイメージが近い気がしました。

時代は室町末期の様相。サバイバルはこれから。この先どうなっていくんでしょうね。全くわからないですが面白そうです。