本物の会社を経営していると実感するときが転換点。

昔読んだ経営書にそのようなことが書いてありました。確かに「よし!」と思った瞬間に(ほんとうに間髪入れず)問題が起こります。とてつもなく厄介な問題が。

何度かそういうポイントを通過してきましたが、いよいよいつか来た道、その先に進めなかった分かれ道にさしかかっています。

ある一定規模に成長したときに現れるこのピボットポイント、もちろん選択肢は「これを越えて、次なる課題にぶち当たるまで成長を目指す」こと一択です。

以前も書きましたが、立ち上げ当初や危機に直面しているときは、ひたすらガムシャラにやるほかないので、このポイントには気づかないうちにやり過ごすことができて割りと簡単だと思います。難しいのは、順調に成長させていく途上で必ず立ちふさがる関門「もうこれぐらいでいいんじゃない」という気持ちとの対峙です。

吹けば飛ぶような小さな会社ですが、それでも日々社員が食べていくに困らない程に収益はあります。社長個人としても、とてもその労力に見合いませんが、それなりの額を頂いていますし、創業オーナーという立場は、実収入以上に実質的な余裕もあります。

それでも、現状維持は長期衰退とわかっているので、さらに成長を目指し頑張っていこうとするのですが、そんな社長の切実な思いですら、幹部や家族からすれば平地に乱を起こすような危険なものにしか見えず、口にこそ反対意見は出さずとも丁寧な無視という形で、静かな抵抗勢力が構成されます。

当社のように地味にしか成長しない会社には様々な成長できない理由があると思いますが、実は能力不足や運不運の他にも、この「もうこれぐらいでいいんじゃない」勢力との対峙で、和平交渉の結果、進撃を止めた結果も多いのではないかと思います。

実際にこの局面で思うことは、この対峙は突破するほかない、つまり論理的な折衝や、建設的な議論で解消できるものではなく、お構いなしに新たな売上をどんどん作って、要するにあれこれいろいろ巻き込んでやった結果、たまたまうまく行ったというようなことだと思います。

経営には狂気的なものが必要だと、先達の話を直接間接に聞いて思うのですが、一方で経営がアートといわれる所以も、そんな奇跡的なバランスによって成り立っているからでしょうね。

ともかく、この現状維持勢力との対峙局面の解決は乾坤一擲の突撃あるのみ。先に進んで初めて解答がみえることのようです。

前回(5年前)は戦線の突破に失敗しましたが、今回は必ず突破します。