人間組織あるところ必ず巣くうこの他力本願寺派。始末が悪いのは大抵本人に悪意もなく、その自覚もないことだと思います。

零細企業経営者の仕事の8割はこの宗派との戦いだと思うのですが、もしも経営者自身が負けて転んでしまって、景気や業界慣習や社員の能力など、いろいろ責任転嫁し始めたら会社はお終いです。それぐらいこの他力本願寺の影響力は恐ろしいです。

また他力本願寺派の巧妙なところは、なかなか発見できないということです。なのでやみくもに苛烈に取締をやり過ぎると領民は造反、逃散ですし、だからといって見逃しているとあっという間に田畑が荒れて生産力が落ちます。

唯一の手段は、常に厳格に検地、宗門改して、発見次第、確実にその他力本願寺を焼き討ち根絶やしにすること。このときに2度と領国に門徒が現れないように徹底しないとダメです。

この仕事はほんとうに負担が大きいので、うちの社員はしっかりやってくれているからと、信じたくなる経営者の気持ちがよく分かりますし、もしくは面倒な内政をみないことにして、とにかく稼げばいいんだろうと隣国に紛争しかけ先陣切って突撃したくなる気持ちもよくわかります。

このことをどうしたらいいのか教えてくれる経営書をほとんど読んだことがありませんが、恐らく実効性あるものにするためには、忠勇な家臣団を構成できるかどうかにかかっているんだろうと思います。

と、こういうことを考えていると、500年前の領国経営から経営の本質は何にも変わらないんだろうなと思います。

もう何年も信長の野望やってませんが、あれをいつの間にかやらなくなったのは家臣団が簡単に作れるからだと思いました。人間はスペックの見える使い捨ての駒じゃないですからね。