久しぶりに買ってすぐに喫茶店に入って読んでしまった本。

この著者と同じ疑問はずっと抱えていました。初戦のマレー作戦はどうして成功したのか、ほんとうに旧軍は兵站を軽視していたのかと。内容はとても一般的なものとは言えませんが、最終章を読むだけでもかなり見識が広がるように思います。

それにしても、本書でも触れていますが戦前の旧軍による地方人への近代教育(いろいろなフレームワークを与えたんですね)が、戦後経済成長の礎となっているように、戦後のイデオロギー教育が、失われた20年を作っているのかもなと最近考えていたところだったので、こういった冷静な本が普通に並ぶようになっているということは良い傾向なんだろうなと思います。

広く人に勧められる本ではないですが、現在ひとりロジスティクスを一生懸命構築している自分には、日本人の先例を学ぶための天恵の一冊で、そのロジ構築運営を分担できる人の確保を急ごうと再確認できる本でした。

太平洋戦争のロジスティクス

林 譲治
出版年月日:2013-11-26
価格:1,575円
情報取得日時:2013-12-02 15:11