最近はドッグイヤーという言葉すらどこかに消え去ったぐらいに、変革のスピードがさらに速まっているように感じます。

だから「やってみなければわからない」という行動は間違いなく正しいと思いますが、この前に重要な一言が欠けていると、その結果がすべて「やってみたけどダメだった」になってしまうと思います。

その重要な言葉とは、「これ以上はいくら考えても、」です。

そこで問題となってくることは、それをどう考えるのかということだと思うのですが、この場合、特に新規事業においては、現状の経営資源を前提に考えては絶対に×で、そうすると考えれば考えるほど、「やらないほうがいい」という結論になります。なぜならたいてい経営資源というものは足りないことばかりだから。

よって新規事業(商品の新企画も同様ですね)の場合は、「いったい我々は何をすべきなのか」そして「何を実現するためにどうすればいいのか」を起点に考えて、特にこれからのサービス業主体の時代に必要な経営資源の90%ぐらいは人に関することだと思うのですが、そのヒトの部分が「カネ」や「モノ」と違って、正しい動機付けがあれば絶えず成長していくものだということ着目する必要があると考えています。

また、変革のスピードに対応するためには、そのスピードに応じた考える作業のスピードアップがなにより重要だと思います。

大前提として、少なくとも大量の情報を捌く能力に欠けている人には、このスピードアップはそもそも不可能だと思うので、ITツールを使えない人は残念ながら退場するしかないでしょう。しかし、たいていの場合、ITツールを使っているといっても、フィードの読み込みでその時間のほとんどを終えてることが多いのではないかと思います。ネットの様々なツールは、考えてない人にも考えたつもりにさせるところが恐ろしいと私は思っています。

ネットのツールは、考える時間を作るために作業効率を上げるものであって、ネットに捕まっている時間が長い人はほとんど考えてないと同義じゃないですかね。自戒を込めて。

社会構造の変革まで議論を広げたらいろいろな考察もできるのでしょうけど、いわゆる知価社会とか知識社会といった時代に必要なことは、産業社会が健康で体力があり、ある程度の学力が前提だったように、健康で体力があり、かつ物事を深く正しく、そして迅速に考えることができる人が前提になっていくんじゃないかと思います。

そもそも考えることが仕事の経営者がその重要な役割を担うことは間違いありませんが、最近サラリーマンという言葉が、ビジネスパーソンに置き換わっているのも、そういった構造の変化を指し示しているんじゃないかと思います。

それって厳しい時代なのでしょうかね。私自身は、そういう変革にあらがっているほうが厳しいように思えます。ということで、これ以上はいくら考えても、やってみなければわからない。