「儲ける体質、組織をつくることが第一。」

厳しい経営会議

一昨日は経営会議でした。震災後三ヶ月目。事務所の縮小移転やプロジェクトの整理状況と今後の計画などを報告、検討しました。それで冒頭参与からの発言が掲題の一言。

それに続く言葉として、「儲かる体質、組織を作り、儲け、かつ、その利益が貯まるようになったら、その体質、組織に合った社会有用性の高いお金を使う組織を作ること、が二番」と繋がります。

前期、すなわち7期の前半までは、いわば教科書通りにやってきて成果を上げていたので、参与も社長がいろいろ新しい事をすることについては基本的に反対がなかったものの、この8期末になってさらに大きな損失を計上するにあたり、事業経営の基本を忘れるな、いつまでも夢見心地ではこの厳しい時代に舵取りを誤ると明確に釘を刺されました。

優しい口調とは裏腹な理事長の真剣な眼差し。社外取締役とはいえ、クライアントでもある社長に諫言するのはベテランの先生でも大変難しい仕事だと思います(と仰ってます)。

途中まで自分の甘い見通しについて、理事長から指摘された部分を、あれこれ補足の説明を加えていたのですが、途中からいろいろと儲かっていない理由を探しだそうとしている自分に気づいて嫌気がさしたとともに、後片付けの大変さを言い訳にしていた自分にも腹立たしくなってきました。

ということで、今やるべき事は、「儲ける体質、組織をつくること」からやり直しです。

事業としてはプロダクションとして「受注体質の事業」でやっていますが、この受注体質の事業というのは基本的には儲かりません。儲からないけれども、これを「見込体質の事業」と掛け合わせたところで工夫して商売をすると儲かります。

今までそうやって儲けた利益を使って、とてつもなく儲かるけど絶対に成功するかどうか確約のない「見込体質事業」への転換を図ろうとして、残念ながら最初の大きな失敗を確定した、というのが現段階です。

ということは、もう一度やり直しといっても、振り出しに戻るではなく行き着いていたところからやり直しということになるわけです。どうも破綻したことの大変さに目を奪われすぎて、弱気になりすぎていました。

そこで、以前から経営的な失敗についてまとめておくと宣言していた通り、今回はその失敗の部分をきちんと見据えることで、次回の挑戦を必ずや成功に結びつけたいと思います。

商品開発の失敗について

今回の業態転換においては、大きく失敗した要因が2つあると考えています。

1つはSEIHAに顕著ですが「開発」を甘く見ていたことです。この開発というのはウェブシステム開発という狭義の意味ではなく、商品開発における「開発」の意味ですが、具体的には千三つの世界どころか、さらに成功の確率の低い大変危険な賭であるという認識がまだまだ足りなかったということです。

敗戦直後には星の数ほどのバイクメーカーがありました。いまそのバイクメーカーが何社残っているのか?さらい言うとそこから車メーカーとして生き残り、グローバルな競争に勝ち残れているのか。自分がやろうとしているプロジェクトのゴールをどこに見据えるのか、青天井でどこまでも行くんだという覚悟は潔く、宣言すれば喝采を浴びますが、本当に責任をもって完遂することができるのか。

だから挑戦をやめるということではないです。青雲の志は非常に尊いが、家族や社員の生活を抱えながら、社長の思い一つで、勢いだけで危険な航海に乗り出そうとしていたことを痛切に反省しています。つまり、絶対に成功させるという準備を整えて出航するということです。

そして、失敗を通じて得た教訓は、この「開発」による見込事業を成功させるための必須要件が、やはり(というのはよく言われていることとして)2つしかないこと。その条件を満たすまではSEIHAの開発を再開しないことも決めました。

こ商品開発を成功させるための2つの必須要件、1つは開発を成功させることができる組織体制を用意すること。もう1つはその組織体制を運営するための資金を用意すること、です。アイデアや企画も大事ですけど、必須要件ではありません。そもそも計画すら意味はなく、いろいろやっているうちに当初と違うことで成功したという例は腐るほどあります。

そこで、いまSEIHAは何をやっているのかというと、旧開発体制の敗戦処理とともに、新開発体制の準備を進めています。現在、多くのウェブサービス開発会社やシステム開発会社の皆さんに協力を頂いて、攻城団の旧開発体制の評価を行っていただきながら、私としては新開発体制に相応しいパートナー探しも同時に行っています(これはある程度頑張って失敗したからこそできることだと考えています)。

パートナー人材に求めるものは技術力だけではありません。このSEIHAの事業によって社会転換しようとしていること、そのことに共感を持って、かつ不断の努力をともにできる人でなくてはなりません。簡単にいうと、話をしていてちょっとでも「ん?」と思う、波長の乱れがある人とはどんなに技術力があっても組めないということです。

それからもう一つは開発資金の準備。今から再度、儲けたお金を貯めて事業を始めようとするとすぐには動けません。またSEIHAを本質的な形で実現するためには、相当な資金が必要だということを今更ながら理解しました。これをどうやって用意するのか、そこに知恵を絞っています。

大変大きな危険を伴う事業を実施するのに、儲けだけを期待する資金を調達するのは逆に危険を増すだけです(単なる危機の先送りでしかない)。

この間、サービス開発に成功している若いベンチャー経営者の方々から助言を頂き、彼らが大金を調達することに成功していることを目の当たりにしながら(いろいろと教えていただきありがとうございます)、率直にその若さに羨ましさを感じつつ、アラフォー世代だからこそできる資金調達の方法を探っています。

この場合も開発人員を求める条件と全く同じで、我々は企画と実行を担当する、そちらは資金提供を担当するという役割分担で対等な関係を了解し、SEIHAの本質的な意味、日本の観光産業に寄与するという点で共感を得る人としか組みません。

ただし、これらは綺麗事だけでは済まないとも思っています。島津久光を動かした薩摩藩士のようなしたたかな動きも実際には必要になってくると考えています。そのようなしたたかな行動は大変危険な行為なので失敗が許されないですが、成功させるためには、大局をつかみ、新しい潮流をいち早く掴んでそれを言語化し、周囲に影響を及ぼす力を身につけなければならないと考えています。

要するに一言で言うとそれは人間力ということに尽きるわけですが、私個人としては、その部分をもっと磨いて行かなければと考えています。

本業を疎かにしたこと

業態転換失敗のもう一つの要因は、より経営の本質的な課題で、業態転換にのめり込むがあまり、本体である受注体質事業での工夫・対策が疎かになり、ただでさえ儲からない受注体質がさらに儲からないものへと変化してしまったことです。赤字を解消できない原因はすべてここにかかっています。

もともと受注体質事業というのは前述したとおり儲からない体質の事業体なので、一ミクロンでも隙があってはならない、つまり自ら指揮をとって受注体質事業収益を鬼のように求めるべきところを、優秀な人材を投入し現場を任せるという建前で、結果的に手を抜いていたのだと考えています。

この本質的な誤りについては、今回組織を縮小再構築することで相当の痛みを伴って立て直しを図っています。具体的な再建策は、当社の本業が企画とデザインであることを徹底し、自らも新しい企画を現場で作って、それを手取り足取り徹底的に社員に仕事の課程における「考え方」もたたき込む形で実行し、収益化することで実現するほかない考えています。

上記の商品開発に関しても同じですが、内部人員、つまり社員としては、単純に事業収益を稼ぐことに対して貪欲であるかどうかが大変重要なことであると考えています。ここ数年、社員を大事にするという言葉だけが一人歩きして、儲けを出せない社員までも抱えるような風潮になっていて、そこに振り回されてしまいました。人材を安易に募集したことにも失敗の要因が潜んでいます。

儲けが出せた会社(これは社会と置き換えても同じだと思うが)だからこそできる福祉政策です。経営者個人としても、そもそも儲けようという思いがない人と一緒にやっていたら、それは自分の子供でもない人を養うという大変愚かな状態になってしまいます。

途中でそれに気づきながらもきちんと整理ができなかった自分の甘さが今の現状に繋がっています。現実的に、自分の子供の育児、教育も大きな問題があり、それはまた別エントリーで書こうと思いますが、親子であることと、親子のように振る舞うことの絶対的な違いは何か、それを覚悟して果断に振る舞えなかったものは何なのかということを考えています。

事業収益を貪欲に追求する組織を作ることがいま一番に求められていることだと再確認しています。最初に戻って、今のデジカルで求められていることは、「儲ける体質、組織をつくることが第一。」です。

いま当社の正社員は、徳永くん、玉造くんの2名ですが、彼らにはこの方針に基づいて、それぞれ儲けるための行動を速攻でとっていこうと昨日のミーティングで決定し動き始めました。

詳細はここでは書きませんが、当面、売上の根幹は、社長と取締役萩原で従来の出版企画、デザインの仕事で作りますが、今日からはさらにメディア事業部では、企画提案による売上を作るが一番、SEIHAの準備が二番として営業活動を活性化させます。

3 Replies to “「儲ける体質、組織をつくることが第一。」”

  1. ピンバック: KATSUKI Noboru
  2. ピンバック: 牧賢司

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