もうそういうことにしていいんじゃないかと思うんですよね。暴論だけど。

あの「新世紀メディア論」でも、書籍について触れているけど、あくまでもサブタイトルにあるように新聞、雑誌が主な対象だし、ここのところ折に触れてバカ編集者のことを書きましたが、それはほんの一握り、一人二人の人の話であって、取引先のほとんどの編集者はそうじゃなくって皆さんスゴ腕で、そういう点からもそうじゃないかと思っています。直感に近いけど。

生き残れる理由としては、書籍のデバイスとしての真価に依拠するところは勿論のだけど、書籍編集の仕事が、ほとんど毎回、初めてのメンバーでプロジェクトチームを組んで新商品開発をし収益を上げていく仕事で、それを一人で舵取りしなければならず成績も一目瞭然、人を見る目があって(著者がいなきゃ本が作れない)過酷な新商品開発競争の重圧に耐えて売れる本を作り続けるもので、もうその覚悟と実行力それだけで、この先何でもやれると思います(この点は雑誌創刊編集長はもっとすごいか、じゃ雑誌創刊編集長も生き残れるね)。

新人のころ、唯一の同期だった(今も立派に書籍編集部の編集長やっておられる)同僚が、ポロっと「この仕事って、社長から金と看板借りて個人商店で商売しているってことだよな」と言って、まだ当時はウブで頭でっかちなガキだった自分は、なんて大人なんだと驚いたのと同時に、そうなのか個人商店やってんのか俺はと、今思えばこのときの彼の一言が、確実に経営者への道を進ませてますね(もうあと3人そういう経営者道へ進ませる影響を与えてくれた人がいますが)。

話がそれた。何が言いたいかというと「商売」を一人で考えることができる仕事なんですね書籍編集者は。で、この商売というのが肝心で、今の世の中、大学を出てビジネスパーソンをやっていて、身近に商売を意識することってほとんどないんじゃないかと思うのですね。どんなビジネス書を読んでも自分のスキルアップのことばかりだし。

だから、商売っていうとイコール金儲けって思っているビジネスパーソンって多いんじゃないかと思うのですが、ま、実際そうですけど、それだけじゃ上手くいかないんですよね儲けることって。その商売の基本が体験として分かってる、それだけで書籍編集者は生き残れると思っています。あ、もちろん売れたことがない編集者じゃないと無理だと思いますけど。

そこで、売れてる編集者とたくさん仕事をしている当社としては、将来の編集者のあり方について考えることも重要だけど、いま書籍編集者がどういうことを考えて仕事をしているのか尋ねて回ることにしてみました。かねて出版求人ニュースのコンテンツで用意していたこのインタビュー記事、突然ですが、来週の月曜日にブログメディアとしてオープンすることにしました。大急ぎで準備します。

またお知らせします。

追記:

個人商店という話題を引いたので、属人的な編集者像を結びがちだけど、これはもう古いと思う。これからもスター編集者は出てくると思うけど、出版社としては科学的な組織(チーム)編集を考えないとダメじゃないか。チーム制だと一見没個性に思われがちだけど、プレイヤーとして優秀じゃなきゃ本当のチームプレイはできない。若干ひ弱に見られている若者世代、実はこのあたりが指向としても上手くはまるんじゃないかな。なんというか、猛烈にチームを作りたいと思ってきた。