ちょっと前に吉村がブックデザイン担当した本です。新卒採用戦略についてのノウハウ本なので、会社を大きくしたいと考えている経営者以外は読む必要はないと思います。もちろん私は読みました。

ヘタレ採用 ドヘタ経営―採用の常識は営業の非常識
ヘタレ採用 ドヘタ経営―採用の常識は営業の非常識

ヘタレ採用を続けていれば、いずれ会社が潰れます。という帯コピーがついているのですが、痛感してます。まさにこれまでの自分は、このヘタレ採用を続けてきたなと。せっかく入ってもらった社員の中には、苦労ばかりかけた人もいて、その人の良さを活かしきれずにいたという強烈な反省点に基づいて、次の採用、つまり会社をどう発展させていくために、どういう人に入社してもらうのかということについては、きちんと語っていかなければと思っています。

ここ数ヶ月厳しい改革を断行した結果、所帯をかなり小さくした編集部門ですが、これを契機に当面、紙の編集者は採用を辞めることにしました。そして、すでに会社を創業してから、PC書の編プロからブックデザイン会社という位置づけに切り替えてきているのですが、さらにここにきてもう一つ大きく舵を切ることにしました。

いや、舵を切るという表現は不適切ですね。ブックデザイン、つまり売れる本作りのトータルサポート事業は今後も拡大させていく考えです。ただ、こちらの経営のかなりの部分を萩原にやってもらい、私は、これからはウェブメディアの編集者をどんどん集めていこうと考えています。

先週、河野さんとこのあたりのことを話をしていて、戦略も全部組み替えて進むべき道はかなりクリアになってきました。が、こういうことに正解はないので、完全な答えを出す前に走りはじめて、間違ったと思ったらすぐに舵を切りなおして進んでいくつもりです。

あらかじめはっきり宣言しておきたいことは、これは零細企業の第2創業といったような半端なスローガンで終わらせるつもりのものではなく、もう一つ別の会社をゼロから作る作業にするということです。

よく、起業した人が、もう一度創業時の苦労を再現しろといわれたら無理だという話がありますが、それはその通りで、何の信用もなく何の経験もない、まさに徒手空拳。苦労しないほうがおかしな話です。しかし、個人的には、同業他社に転職を果たして、やれやれと思ったのもつかの間、お手並み拝見といった、周囲の期待値が高い分、成果を出さないと大変なことになると気づいたときの切迫感に比べれば(いまでもヒヤヒヤします)、創業は自由自在にやれた分、かなり楽だったように思っていますし、これまでの経験を活かせば、かなりのことができると思っています。

6年前デジカルを創業した翌月、丁度次男が生まれたのですが、今度は次女が生まれたばかり、これまたいい契機に違いないと思っています。前回は、子供が生まれるというのに、あんないい会社辞めて編プロなんか作るのかと結構周囲に心配(いやバカに)されたのですが、さすがに今回はもう呆れられているというか、ま、それなりに信用がついて、信頼されているということにしておきたいですね(笑)

一度会社を作ってここまでやってきた経験があるので、次はかなり素早く、確度高くベンチャー事業の成功を目指したいと思っています。自分にできることといえば、やっぱり経営者の仕事。資金調達と経営管理、それに多くのプロデューサーをまとめる合理的かつ情理的な仕組み作りといったところでしょうか。特に、マネージメントについては、徹底的に実践勉強して顧問も周りにガッチリ固めているので、ベンチャーといえども手堅く絶対に会社を潰さない経営をするつもりです。

事業自体は素早く軌道には乗せたいと考えていますが、その先、将来をどう考えているのかというと、あと20年は立派に戦える、いや楽しめる会社にしたいと思っています。もちろん短期的な成功も目指しますけど、仕事は大いなる暇つぶし。どうせやるなら楽しく、儲かるようにやりたいものだし、今は若い社員もこれから結婚して、子供が生まれてなど生活の変化があったときにも、うまく対応できるようにしたいと考えています。

少なくとも10年たてば出版業界は、まるで風景が変わっていると思っています。そのときに、なるだけ高みから見晴らせるような、そういうポジションを目指して今から目前の高い山目指して登ろうと思います。

ということで、今度集める人材(ウェブメディアの編集プロデューサー)は、最低でも10年は一緒に仕事をしてくれる人ということになるでしょうか。