ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたか
ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたか 小西 未来

おすすめ平均
starsやはり違うことをしていたピクサー
starsマネジメントのゴールの最高潮
stars共感できる部分がいっぱいありました

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悩んでいるときに書店に行くと、まさに福音ともいえる本に出会えるときがありますね。

ピクサーの四原則
1.真の才能を持った人は非常にまれである。
2.管理職の仕事はリスク回避ではなく、危機が発生したときに素早く回避させることである。
3.どんなときでも本音で話し合えなくてはならない。
4.思い込みを常に見つめ直し、ピクサーの素晴らしい文化を壊しかねない欠点を探し続けなくてはならない。

はっきり言って語っている人自身が「真の才能を持った人は非常にまれである」その人そのものだと思うので、この本に書いてあることを単純に真似てもピクサーのようにはならないだろうなとある程度冷静に読みました。

それでも、2.と3.については非常に示唆に富むものでした。特に2.についてはガツンときましたね。スタッフには失敗を恐れるなと言いながら、私自身が失敗しないように失敗しないように、とやっていたかもしれません。

独創的なものを生み出したければ、たとえ困難な状況に直面しているときであっても、”不確実性”を受け入れなくてはいきません。その結果、もしも多大なリスクを冒し、失敗してしまったときは、急いで回復させればいいのです。

クリエイティブな仕事は、成功するように取り組んで危機が発生したら速攻で対応回復するというようにマネジメントをする。これは肝に銘じたいと思います。

それで、成功するようにやるためには徹底的な議論や半端な計画を叩きつぶす勢いでやりますが、一旦動き出したら黙って見守るようにしたいと思います。

あと最近、社内を見ていて気になっているのは3.ですね。

今日も萩原とつらつら話をしていましたが、紙スタッフとネットスタッフの壁がまだまだ厚い。彼は、もう会議を何度もするより一緒に飲んだり飯食ったりとか、もっと根源的なコミュニケーションが必要なんじゃないの?と言っていましたが、そう思いました。彼ら企画スタッフとメディア制作スタッフのやりとりをみてると、技術的な整合性について議論ばかりしてて一向に儲かる匂いがしてこない(笑)

それがウェブ技術的にできるできない、正しい正しくないの話の前に、一体我々は何をするのか?ということをもっと本音で話し合ったらいいんじゃないのかな。企画する側もネットだからわからないってことないと思うんだよね。ユーザーやクライアントの立場にたって考えることができるか否かの問題だから。

さて、このピクサーの経営哲学は、

●社員がお互いを信頼し、尊敬し合う関係を育み、全員が創造性を発揮できる労働環境を構築すること。

ということで、なるほどこれはそのまま真似してみようと思いました。具体的にどうやればいいのか現時点でノーアイデアですが、こうなるようにしようと思います。

この他にも、素晴らしい作品を生み出す鍵は、優秀な共同体を作ることにあって、それが映画業界のフリー・エージェント的な慣行とは正反対だと自認している、という点にはなるほどと思ったと同時に私個人についても自信が持てました。

というのもこのところネットで目立たないとビジネスできないみたいな風潮を感じていて、腰据えて地道にチームで戦ってちゃ負けなのかなぁと少々弱気だったので。twitterなんてそれをものすごく助長してると思ってますが、それはそれで個人で戦う人がいるというだけのことなのだから、今後も私自身はクリエイティブチームを作るようにやっていこうと思います。というか、さらに強化する施策を実施したいと考えています。

まぁいろいろと書きましたが、

優れた人材はそう簡単には見つからない。たまたま見つけられたとしても、才能ある人材を強調させ、効率的に仕事をさせることは容易ではない。

これがすべてなんですよね。やっぱり誰をバスに乗せるのか?これに尽きると思っています。と、なんでこんな話を書いているのかというと、新しいバスを発車させようと思ってるからです。今度は同じ過ちを犯さないよ。