「断捨離」ができないから業績が伸び悩んでいたのは間違いない

最近はビジネス書をまったく読まなくなったのでもうそんなことはありませんが、紀伊国屋で新刊を買って戻ったら「社長、それ見本あります」というのが何度かありました。

この本も以前だったら間違いなく先に買っていたであろう一冊です。

社員に読んでもらうために買おうと思っていたら、玉造さんが本文制作を担当していたらしく見本があったので有り難く拝読しています。

著名な「断捨離」ですので説明も不要だと思います。社員に読んでもらおうということは、自宅の話ではありません。事務所での話です。

ちなみに見本棚はすぐにいっぱいになるので、数年前から定期的に断捨離しています。

感情の淀みや荒波に飲み込まれそう

もう4年前のエントリーですが、最近になって急激に対応レベルを上げる必要を感じてきたので、このところ毎日「感情疲労」について考えています。

現代人の疲労原因の9割は「感情の無駄遣い」だと思う | katsukinoboru.jp

個人的な感情コントロールは、「おいあくま」で平常心を維持できるようになってきましたが、社員の感情も一緒に処理するようになってきて追いつかなくなってきました。

昨年の秋から業態開発に取り組んでいますが、私の考えと一致させるため、こちらから話をすると同時に社員の考えも読み取る必要がありますが、このとき一緒に逆流してくる、業務に対する「処理しきれない思い」を一手に引き受けること、これが一大事業となっています。

仕事が多すぎるという心理的圧迫

たかだか10人ほどのこと、偉大な経営者は100人まで一人でやっていたというし、30人ぐらいまでは当たり前だともいうので、ここまで頑張ってやってきました。

ただ、社員それぞれが社内外のスタッフと濃密な人間関係を構築しつつ業務を進め、かつ2つと同じものがないクリエイティブな案件を担当しているので、パターン処理ができず、このままでは社員からの津波のように押し寄せてくる感情の淀みや荒波に飲み込まれそうな勢いです。

問題は「処理しきれない思い」を生み出している業務の滞りです。しかし社員も人間ですから十人十色で百人百様。その思考回路を一つひとつ解析している暇もなければ労力も足りません。環境再構築も含む抜本的な改革に着手しなければ、いずれ私自身が破綻するなと認知したので解決に乗り出すことにしました。

そこで、なぜ処理しきれない思いがつのるのか、その背景にある思考回路ショートがどこで発生しているのか探ってみると、「仕事が多すぎる」という声がそこかしこから聞こえてきました。

なんだって、残業無しで回るように仕組み化しているのに多すぎるとはどういうことなのか。

内面を表す風景を探す

そこで、常にいっぱいいっぱいですという社員に何日か張り付いて、何をやっているのかこの目で実際に確認することにしました。

そこでわかったことは「溜め込み」です。先に言っておくともちろん悪意のあるものではありません。

膨大な業務量が流れているので、最後は否が応でも処理をしなければならず押し出されて流れていくのですが、その途中で処理しきれずいったん棚上げにした事柄が未整理のまま棚晒しになってしまい、気づいたときにはデッドラインが別案件と重なっていたとか、そういったことが日常茶飯事になっていました。

EvernoteやChatworkも積極的に活用していますし、対話も欠かさないようにしていますが、そうやって大量の情報処理を前提にしているために、ほんの少しの棚晒しでも発覚したときには膨大な対策処理が必要になっていて、そのときには一人でトリアージが間に合わないというわけです。

つまり棚晒しをせずその場ですぐに処理をしておけばよいことなので仕事が多すぎるのではなく「仕事を増やしている」わけですが、どうしてそうなってしまうのか、さらに根本的な問題が潜んでいるはずで、どこか表面にその要素が現れていないかと観察していると、彼らの机の上に共通してあるものがてんこ盛りになっていることに気づきました。

ゲラの山です。

整理整頓ができない環境が悪い

最近はPDFでの校正が当たり前になってきたとはいえ、大量の案件が進行していますのでゲラの数も膨大です。同時に2つの案件のデザイン作業を進めるわけにはいかないので、机の上に広げるゲラは1つですが、その脇にその他の案件のゲラが横積み縦置きで机の周囲を占拠したまま。

つまり日頃からゲラを整理整頓する場所がないことに不満も持っていない、さらにいえば整理整頓をしようという問題意識の欠如に、この問題の根幹があると考えました。これはそのまま処理しきれない問題が発生したときに、その問題を解決をする場所、空間、余裕余白がないことを示しているというわけです。

そして、ここにきて、この問題は社員が悪いのではなく、はっきり社長である私が悪いとわかりました。

事務所の拡張が長らくの懸案ですが、なかなか良いところが見つからず、移転が上手く進んでいません。人もモノも増えた状態のまま、さらに業務をどんどん増やしていけばどうなるかは明白です。要するに詰め込むばかりになっていました。これで思考回路がショートしないほうがおかしいですね。

半分はいらないもの

まとめ

日中、机の上が散らかることがない人は仕事をしていない人なので、ゲラが広がっているのはよいことですが、それが帰宅時も出社時も同じなまま、机の上に常に別の案件が山のように積み残っている状態。デザイン業務はMacのデスクトップ上で行うにしても、この物理的な圧迫が心理状態に影響しないはずがありません。

そして、ほんとうに整理整頓する余裕がないのか?と思えばそんなことはなく、事務所には間違いなく不用品が沢山残っています。つまり新しいことを増やすためには、定期的に「捨てる」計画が稼働していなければならないということです。

名経営者は捨て上手と言われています。事業のスクラップ・アンド・ビルドについては、捨象と集中を常に意識していましたが、事務所の物理的な空間確保については、これまでまったく手付かずでした。

もしかするとこれまでの失敗の中には、古いものが占拠していたためにせっかく作った新しいものが入らずに上手く行かなかったものがあるかもしれません。

当社の業績アップのためには、退勤時に社員の机の上から未整理のゲラを皆無にする。それができるような環境にする。

断捨離待ったなしです。