「気遣い」の技術

受け売りです。

気が利かない人は「相手の気の流れを読んでいない(読もうとしない)」ので「気を使う」ことができない。

なるほど。だから粗忽者はズレた対応になってしまうし、小心者は闇雲に動いて気疲れする。

流れを読む能力。観察眼。

謹賀新年

ブログを始めて5回目の正月を迎えました。この際、旧ブログもこちらに吸収しようと古い記事を整理しながら読み返していました。

よくもこんなくどい記事を書き続けてきたものだと思いますが、そこに見えたのは、自信がなく覚悟も定まらない、青年をこじらせた中年のぼやきでした。

本年は経営者となって10年目の節目になります。10年やって初めて経営のなんたるかがわかるという先生方の言葉を信じ、その世界を見るため突き進んできた感もあるのですが、いざその目標が見えてくると、そこに感慨も興味もなくなりました。

実際に次の5年、10年の展望として考えていることは、家族、社員とその家族が楽しく暮らせる環境をどこまで満足なものとして構築できるだろうかという”ささやか”なものでです。

ささやかなことですが、日頃一緒にいる人が笑顔で楽しくすごしていない経営であれば、そもそも事業発展はありえないこと、ましてこの厳しい経済環境下、そういうことでは現状維持すら覚束ないこととを知りました。平凡であり続けることが一番難しいのです。

安心、安定は当たり前として、そこに日々の充足感や将来の展望をあたえているのかどうか、このごく当たり前の環境提供を成し遂げずして何が経営者かと、この一年半の混乱の中で新しい視座を得たように思います。

初心忘れるべからずという意味でベンチャー精神を忘れることなくスタートアップに取り組むつもりですが、こと電子出版事業に関しても、目標達成して周囲が不幸になることのないよう、社員が楽しく暮らせる環境構築を第一の課題として本年よりさらに高い目標を目指します。

【メモ】「整理」と「整頓」は違う?!

2012年も残すところあと2日。一向に片付かない仕事の山を前に、どうしたものかと考えながら、いつものように書店に入ると、「トヨタの片付け」なんとかという本が目にとまりました。パラパラ立ち読みしていて衝撃を受けました。

似たようなコトバを、何となく分かったつもりで使うなと戒めていましたが、恥ずかしながら43にして初めて「整理」と「整頓」の意味を知りました。いや、知らされました。

ここ数ヶ月、仕事が片付かないと悩んでました。結構自信があったんです。サクサク仕事を片付けていく自信が。ところが、ここのところ取りこぼしや遅延が次々と発生し、参謀役のサポート室ともギクシャクしつつあり、なんとかせねば!そう思っておりました。

そして、「仕事を整理して欲しいんだ」とずっとわめいていました。ずっと。しかし、用語を間違っていました。

「整理」:不要なものを取り除くこと
「整頓」:必要なものを取り出しやすくすること

私なりにまとめると以上のようなことのようです。そして、仕事を片付けるためには、この「整理」の前に大混乱した仕事の情報や作業を「整列」させておく必要があることも本を読んでわかりました。

いつも秘書には「整理しておいて」とお願いしていたのですが、言われてピンと来るはずがありませんね。なにしろ何が不要なのかそれが分かっているのは私なのですから。

つまり私がお願いしていた「整理しておいて」は、本当は「整列させておいて」ということでした。常々これは「リスト化しておいて」と言っていたのですが、私の言葉が踊っていました。

実は、ちょっと前から秘書とはToDoをサイボウズのグループで共有することを実践していて割と上手くいくようになりました。どうやら直感的に正しい取り組みをしていたようです。

ただ全部出し切って整列させていないところに問題がありそうです。現在、一生懸命「整列」させています。

しかし、また大きな問題にぶつかっています。

急激に事業構想を広げなければならないので、それに使う頭と、決まった部分を実現するため実行に集中する頭とをスイッチングする方法が、まだボンヤリしています。

1点わかったことは、決まったことを実現する実行に集中するためには「整頓」が重要であるということです。この部分、いまいろいろマニュアル化を急いでいるのも間違いではないようです。

あと2日。

【メモ】「編プロ」と「自費出版」の時代

30代後半以上の出版関係者には基本的にどちらも蔑称ですね。

創業当時はただの「編プロ」じゃないと息巻いていたときもありましたが、最近は誇りを持って「編プロ」と名乗っています。電子出版社とかいうと、それはそれでまたなんだか中途半端な響きがありますからね。

私自身は、これは出版サービス業と定義しています。特に当社の場合は設立当初からブックデザイン(設計と意匠の2つの意味で)の提供を柱としているので、常に出版関係者を全方位でお客様にできるポジションを意識しています。

この業態には未来があると思っています。サービス業として収益見込みを立てやすいですし、日本語を扱う仕事ですからグローバル化の強烈な競争に巻き込まれる心配もほぼありません。さらに実績を積み重ねて行けば行くほど深みある仕事にすることも可能です。そして実は見込み収益と受託とで二重に収益を計上することも可能です。

私自身は、編集者として新しい出版形態である電子出版の実現もさることながら、経営者としてこの新しい出版サービス会社の組織作りに大きく時間を費やしています。

しかし、さすがに二兎を追う者は一兎をも得ずと理解できるようになってきたので、こちらは手伝って貰える人を明日から募集します。

募集にあたって今一度自分自身の組織観を整理しておくと、良い商品を作るためには、それを生み出す土壌が必要。それは誰もが楽しく働けると思える職場と組織。そしてそこで人が育つのを待ちます。考えていることは少数精鋭です。しかしそれは精鋭な人間を少数揃えるのではなく、少数で努力を続けるので精鋭になるということと理解しています。そこを意識して仲間を増やします。

次に「自費出版」というコトバ。最近は電子出版は自費出版みたいなもの。そういう捉え方で耳にするようになってきました。確かにそういう側面はあります。私自身はゼロを一個減らす革新的なサービスにしたいと考えていますが、実際に提案させて頂く場合は最低限の実費は頂戴するようにしています。

しかし、よく考えてみれば商業出版だといったところで、印税の実収益をあげてそれが執筆コストに見合っている人はどれだけいらっしゃるんでしょうか。はたまた発刊した本がほんとうに必要な人に届いていると、その出版目的を果たしたと自信を持って答えられる人はどれほどいらっしゃるのでしょうか。

印税収入がなかったり、店頭にならばなかったり、さらに言えば「自分の思った通りの企画」として出版できなかったとしたら。そこに金銭的な損失は確かにないかもしれませんが、かけた時間や情熱がサンクコストとなって存在しているはずです。なにより一体何のためにそれを費やしたのでしょうか。自費出版をしている人を笑えなかったりして。

本当に売れる本を書く人・作る人。間近で接する機会がありますが、とてつもないエネルギーが必要です。一方で、作り手の自己満足に陥った冊子のような本は、読まれるどころか見られることもなくゴミ箱に捨てられてしまいます。

そのちょうど良いところを押さえた、届くべきところに本が届くような仕組みをセットにして、出版サービスを提供できないだろうかと考えています。

充実した本作りと満足いく仕上がり、そしてその本の宣伝認知と販売のお手伝い。いまその2つの部分に集中して考えているところです。

【メモ】新規事業失敗の法則

1.お客様に
2.自社の商品を
3.提供できる仕組みと組織があり
4.それを維持する資金を確保できる

この順番の回転が事業の本質だと考えますが、その事業を開発するとなると、

1.予算を確保して
2.仕組みと組織を作り
3.そのチームが自社商品を開発し
4.お客様に提供していく

という順番を辿るのが一般的で、これは開発失敗に至る典型的な方程式だと思います。上手くいかないので人を変えたり、予算を増やしたり、商品を変えてみたりしますが、残念ながら失敗を重ねてしまいます。

失敗の要因は単純明快で、お客様を満足させていないためです。そうなる前に収益の辻褄を合わせようとする圧力が非常に大きく、そこに耐えられないのです。零細企業が新規サービスの開発に成功しやすいのは、規模が小さいため小回りが利き継続がしやすいということもありますが、なにより社長が独裁で採算度外視でトコトンお客さんのためにやれる場合が多いからです。

では大企業ではどうなのか。きっとやれる方法があると思っています。なぜならば、お客様との関係を含め行き着くところ最後は人間関係。それは大企業だろうが零細企業だろうが同じだからです。式が複雑ですが、一つひとつ解いていけば必ず正解にたどり着くはずです。

またその式を一生懸命解こうと一緒に汗を流し骨を折ってくれる人が大企業にもいます。信用できる人です。

【メモ】事業サポート室MTGの秘密

ぽっかりと午後の時間が空いたので、久方ぶりに社内スタッフとミーティングしました。

そういうと聞こえがいいですが、実際のところちょっと感じのいいお店へランチに連れ出して、最近あったことをグダグダしゃべって聞いてもらっているのだけなので、いつものように、ほとんど私のストレス解消です。

でも、こうやって女性スタッフに向けてしゃべってると、だいたい半年先ぐらいまでのプランがきちーっと固まります。誤解を恐れず書きますが、目前の収益に集中できるという女性ならではの強みのおかげです。

いくら「オレは将来スゴイことになるよ!」と力説したところで、「がんばってね!で、来月の食費なんだけど」という案配です。

これが男性としゃべっていると、下手すれば「3年後ぐらいになんとかなるかもしれない」ことを、あたかも「来月実現できるかのような勢い」で盛り上がってしまって(ほとんど聞いてないか、単に調子を合わせてるだけかどちらかで)大変よろしくないと最近わかってきました。

先行き不透明な時代だからこそ、目線は高く、それでいて足下をしっかりと見失わないよう短期集中で結果を出し続けることを意識しています。

そして計画通りこのサポートスタッフを増員します。来週末から@typeで募集をかけます。実はすでに同じく女性のスタッフで電子出版の編集部を立ち上げました。2ライン作って稼働させています。この実働が活発化する来年2月ぐらいをめどに、この出版部門で企画や広報宣伝の実務をサポートできる人に仲間に加わって頂こうと思っています。

スタートアップの人員をすべて女性で固めていますが、私なりに計算してのことです。来年2013年はこれらの計画を土台としてシフトアップします。

男性不況――「男の職場崩壊」が日本を変える
男性不況――「男の職場崩壊」が日本を変える 永濱 利廣東洋経済新報社 2012-10-26
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【メモ】水屋仕事

師匠から「入門してもう丸6年になるわよ」と言われてビックリしました。まだ3年ぐらいしか経っていない感じです。

社中の紅一点ならぬ黒一点。これまでも男だというだけで有り難いことに優先的に半東も亭主も経験させて頂きました。その上、来年から青年部役員だけでなく、親支部の幹事にも任命されてしまい、こりゃもう大変だと思いながら先生の言われるがままにやってきました。

しかし、そこはやはり巨大な裏千家。下っ端とはいえ、役目をやりたくてもやれない、なりたくてもなれない同門の方もいらっしゃるわけです(という話を聞きました)、指名頂いた以上は謙虚にしっかりと役目を果たし務めなければ、いい加減なことでは推薦してくれた師匠に迷惑をかけるだけでなく、多くの人を不愉快にしてしまうと思いなおしました。

そういうこともあっての年初の恒例行事、社中の初釜でのお役目です。毎度のように運転手ですが、師匠から「また半東でも亭主でもやってみたら」と仰って頂いたいところを「今回は水屋仕事をさせてください」とお願いしました。

来年の青年部の役員として他の社中の方々とお会いする度に思うのですが、皆さん立ち居振る舞いが立派な上に、当然日々の仕事はきちんとやった上で平然と役目をこなそうとされているんですね。そういう姿を見ていると、日頃から大変だ大変だとこぼしていた自分が恥ずかしくなってきました。

これから役目としてお茶会の手伝いなどもでてくると思いますが、これまで亭主だ半東だと表の役目で嬉々としていた分、水屋仕事を地道にこなすことがなかったので俄然マズイことになったぞと思ってきたわけですね。水屋仕事とは準備や応接、片付けの裏の仕事です。

実際のところ、茶道は多少お点前ができるようになったからすごいという訳じゃないと、だんだんわかってきました。所作や作法を学び、花に器、書や金工、禅語に菓子などなど、日本文化を総合的に学ぶという意味はあります。しかし、最近もっとも強く感じるのは、仕事の段取りや人間関係の修練の場であるということです。

茶会となれば、その準備や後片付けたるや、関係者の数も含めてほんとうに膨大なものがありますし、そこに出されるお道具は大変高価なもの、それを取り出して片付けるだけでも大仕事です。そして当日の水屋は、表の優雅さとは打って変わって、まさに沈黙の戦場。

最近は、日本人がモノ作りが上手いとされてきたのも、こうやって何百年も連綿と仕事の品質を問い、段取りをつける文化がしっかりと伝わってきていたからこそなんだと感じています。同時に多くの人が今でも下働きの大切を大事に考えるのも、そこでの経験から醸成される暗黙知に、大きな価値があることを知っていたからだとも思います。

社会人になってから、若者だからこその仕事ということでパソコンやネットに近い仕事をしてきましたが、このところ痛切に感じるのはそこにある底の浅さですね。儲からなくなってきて一気に、いままで気鋭の若者たちが言ってきてたことが、単なる綺麗事に聞こえるようになってきました。

戦後日本がいよいよ行き詰まってしまったのも、水屋仕事といった下積み、下働きを軽視してきたことに原因があるんじゃないかと自戒を込めて考えています。

最初に適切に仕事をしなかったら、その仕事は成し遂げられません。型を覚えることができなかったならば、間違いなく型破りにはならないということですね。

【メモ】電子書籍ならではの企画とは

ノンフィクション書籍作家の方から、ご自身の電子書籍の新企画についてご相談を、ということで打合せに出かけてきました。

内容としては電子書籍ならではの企画を考えたいというご要望だったのですが、そこはやはりすでに出版でしっかりとした実績をお持ちなので、私の方がとても有意義なブレストになりました。ありがとうございます。

このところ私がずっと考えているのは、Kindle専用端末での読書と、スマホやタブレットでの読書は根本的に違う読書だということです。

一生懸命本を電子的に再現しようとしてきて、いまも四苦八苦しているのですが、今日を含めここ数週間に様々な方とブレストを重ねた結果、朧気ながらそうではない新しい本の骨格と作り方が見えてきました。

結論的には、もっともっと活字離れを促進させるような本を作っていくことになるだろうと考えています。活字の無い本です。

新しいことは構想するだけなら誰でもできます。それを実現する過程で知恵を絞り、関係者の調整を繰り返し、出来上がったものの品質を向上させるために妥協しない交渉を繰り返した分、将来に繋がると考えて仕事をしていますが、これが本当に大変。だけど大きなやりがいのある楽しい仕事ですね。

そして打合せの結果、来春、弊社で出版させて頂くことになりました。

弊社ではブックデザイン事業部を立ち上げたとお伝えしました。この事業部では編プロ事業を集約発展させたものにしていく計画ですが、今後は今回のように作家や専門家の方々に、出版サービスを提供していく準備を進めています。

ブックデザイン事業部のデザインとは意匠ではなく、設計の意味で使っています。当然、ブックに紙と電子の垣根は存在しません。

【メモ】来春に向けてて人材採用計画始動

2名検討しています。

いずれも来年2013年2月以降の入社で予定しています。頭の整理と準備もあるので書き込み始めますが、人材募集の告知は専用メディアで改めて行いますので、”いま”お問い合わせ頂いても対応できません。その点は悪しからずご了承ください。最速で年末から募集を開始します。

1つめの仕事はブックデザイン事業部のアシスタントデザイナーです。こちらの人材像ですが、技術力があって(10年ぐらいのグラフィックデザインの経験)、これまできちんとした職歴がある方です。だいたい35歳前後ですね。あんまり本好きかどうかは関係ないです。責任もって仕事に取り組んできた実績があるという方であれば、日頃まったく本を読まないという人でも何ら問題ありません。大丈夫です。

2つめの仕事は、電子出版の企画、広報・PRの仕事です。こちらは初めて作る仕事なので、詳細はこれから詰めます。作業として何かをやってもらうというよりは、どちらかというと私の補佐をして一緒に考えて欲しい仕事です。広報・PRの仕事に関わっていた方で、出版業界に関係していない人をにしたいと考えています。こちらは逆に本を読むのはそこそこ好きというのがちょうどよい距離感です。

キャッチコピーやセールストークを考えたり、人にものを薦めたりすることが得意な方が希望です。私と対等に話をして欲しいので、やはり30代後半から40代と考えています。

今夏、業界未経験だけれどもキャリアのある方を採用しました。上手くいっていると考えています。同じように今回も私がこの新しい仕事を設計して、それを着実に実行してもらう考えでいます。

こんな状況下だからこそ、積極的に雇用を作って会社が発展していくようにしていきたいと考えています。

【メモ】Evernote活用:新聞記事クリップ

贅沢な方法なのであまり一般的な方法でないのが恐縮ですが。

日経新聞はいちおう取っています。ただいつも事務所では時間がないのもありますが、広告をみるぐらいで記事はほぼ読んでいません。もったいないので活用することにしました。

最初は秘書に気になったテーマについてクリッピングをお願いしていたのですが、紙がもったいないのと事務所に行かないと読めないのとで1週間で止めました。

ふと思いたってデジタル版で試したら上手くいったので以来その手法を使っています。

1.Web版で気になる記事を印刷出力
2.出力するときにPDFにする
3.Evernoteで共有ノートをつくる
4.共有ノートにPDFを保存する

たいしたことなくてスミマセン。でもすごく便利。

結局クリッピングされた記事も見だしだけ読んでるだけですが、秘書が読んでフィルタリングしているので、自分ならスルーしてしまうことを細やかに拾ってくるので結構面白いです。

クリッピングするテーマを増やしすぎると意味がなくなるのでそこは注意しています。

ここまで書いておいてなんですが、実はクリッピング自体はほとんどどうでもよくて、この作業分解と解説具合が秘書にわかるかどうかのテストをしています。

編プロ事業のIT化をどんどん進めていますが、個人でITツールを使いこなせるかどうかよりも、チームでITツールを使って貰えるようにするにはどうすればいいかを研究しています。

去年まで自分の事業を労働集約型の事業で、こうやれば上手くいくと分かったつもりでバカにしていましたが、まだまだ制作プロダクションには経営革新する部分が多く残っていることに気がつきました。

全部、電子出版事業部の構築のためです。